最新記事
健康

体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」とは?...「1日3回の食事などありえない」

2025年4月20日(日)08時30分
デイヴ・アスプリー(起業家、投資家、「ブレットプルーフ」創設者)

エネルギーと脂肪をたくさん体に摂り込む能力のおかげで、ヒトの脳は他の種よりも大きく発達した。脳が大きいということは、それだけ全身を流れる電気が多く必要になる。脳は重さが体重のわずか2%なのに対し、代謝エネルギーの15〜20%を消費する。

頭のスーパーコンピューター内の約1000億個の細胞を動かすには、おびただしい数の電子がなければならない。


 

大きな脳は人類が進化に成功してきた秘密の鍵である。なぜなら、大きな脳があるからこそ、祖先たちは問題解決の方法を考えることができたからだ。そして、それはあなたも同じだ。ただしそのためには、脳をうまく使うことができなければならない。

厚い頭蓋骨、大きな爪、高い樹木の葉を食べられるように長い首を発達させた種がいる一方で、ヒトは大きな脳を手に入れた。

言語、文化、科学、テクノロジー、大企業、将来の計画といったすべてのものは、こうした進化の副産物である。ヒトが今日地球上の生物の優占種なのは、大きくて複雑な脳をもっているからなのだ。

大きな脳の最大の恩恵のひとつが、飢餓をしのぐ方法を考えられることだ。狩猟用のやり、網、弓矢が発明されてからも、人間は断食を続けていた。人類は栄え、それとともに脳も発達した。初期の人類の脳の平均サイズはどんどん大きくなっていったが、成長したのは主に前頭前皮質である。

額の内側、前頭葉に位置するこの領域は、数十万年のあいだに、意思決定や計画策定、認知行動、社会的交流、人格を司る脳の最高中枢になった。

断食は体が進化に適応するのを妨げるのでなく、むしろ促した。つまり、しばらく食べ物を摂らず、そのあとで脂肪の多い動物性食品を食べて脳を動かすことで、僕らは賢くなってきたのだ。

次の食事まで6時間以上あると聞いたら、あなたは混乱するかもしれないが、体のほうは分別がある。一時的に食べないでいると、脳は燃料の供給元をグルコースからケトン体(脂肪分解の過程で発生するエネルギー源)に切り替える。

こうした切り替えは、断食の開始から14時間で起きることもあるが、たいていは24〜48時間で自然と起こり、その変化にはほとんど気づかない。ただし、切り替えに一度代謝が慣れてしまいさえすれば、である。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、シカゴ・ロス・ポートランドから州兵撤退

ビジネス

米国株式市場=続落、25年は主要3指数2桁上昇 3

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、年間では2017年以来の大

ワールド

ゼレンスキー氏「ぜい弱な和平合意に署名せず」、新年
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめる「腸を守る」3つの習慣とは?
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙…
  • 5
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 6
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 7
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 8
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中