最新記事
哲学

「哲学」と「料理」はなぜ似ているのか?...躁うつ病、就職での挫折と絶望から救ってくれたのは「哲学すること」だった

2023年11月2日(木)10時48分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
哲学

Jorm Sangsorn-shutterstock

<哲学は人を救う...。フランスで哲学の博士号を取得した「挫折博士」が考え抜いた末に見た世界は、なぜ美しくきらめいていたのか?>

フランスで哲学の博士号を取得し、その将来は順風満帆――とはいかなかった。

躁うつ病を発症し、ドライバー、福祉施設職員、工場勤務と職を転々。研究者の職に就けなかった挫折と、心身が思うように動かない絶望のなかで、「哲学すること」だけはあきらめなかった。

在野の哲学徒・関野哲也氏が、自らのどん底体験から「哲学すること」の豊かさ、善く生きることの大切さを追求してまとめた、『よくよく考え抜いたら、世界はきらめいていた』(CCCメディアハウス)の「はじめに」より一部抜粋する。

◇ ◇ ◇

 
 
 
 

「哲学すること」と「料理すること」は似ている

問いや知識が食材であるとするならば、哲学はその食材をもとに考え、料理することにあたります。その意味で、哲学の仕方、つまり「自分で考える術」を身につけることは、料理の仕方を習うことに似ています。

それなら、初めて料理をする人が、いきなり一流料理人の作った料理を真似できないのは当然ではないでしょうか。

人が哲学は難解で高尚だと拒否反応を示してしまうのは、この一流料理を最初に味わってしまうからかもしれません。「こんな料理、一体どうやって作ったらいいのだろう」と途方に暮れてしまいますよね。

哲学の仕方、「自分で考える術」を身につけるにも、順序が必要です。料理だって、最初はご飯の炊き方、お味噌汁の作り方を習い、次に、カレー、肉じゃが、玉子焼き、オムライスの作り方と階段を上っていきますよね。

そうしていくうちに、一段一段と一流料理人に近づいていくことができると思うのです。

偉大な哲学者も「素朴な問い」からスタートした

どんな哲学者たちも、最初は「素朴な問い」を抱いたに違いありません。そして、その「素朴な問い」を大人になってもずっと大事にしてきたに違いありません。

彼、彼女らはその「素朴な問い」が不思議でたまらなく、気づいたら哲学の世界に入門していることになったのではないでしょうか。

事件
ニューズウィーク日本版メンバーシップ登録
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ガザ人道危機報告、バイデン政権高官に届かず 米大使

ワールド

日韓防衛相、協力強化で合意 横須賀で会談

ビジネス

金利上昇を注視、機動対応にはまだ距離 買い入れ減額

ビジネス

野村HD、10-12月期純利益は一時費用で10%減
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市 vs 中国
特集:高市 vs 中国
2026年2月 3日号(1/27発売)

台湾発言に手を緩めない習近平と静観のトランプ。激動の東アジアを生き抜く日本の戦略とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 3
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界でも過去最大規模
  • 4
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    秋田県は生徒の学力が全国トップクラスなのに、1キロ…
  • 7
    パキスタン戦闘機「JF17」に輸出交渉が相次ぐ? 200…
  • 8
    日本経済を中国市場から切り離すべきなのか
  • 9
    配達ライダーを飲み込んだ深さ20メートルの穴 日本…
  • 10
    日本はすでに世界第4位の移民受け入れ国...実は開放…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 5
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    一人っ子政策後も止まらない人口減少...中国少子化は…
  • 8
    スペースXの宇宙飛行士の帰還が健康問題で前倒しに..…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 7
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 8
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中