バーボンの本場にウイスキー不況、トランプ関税がとどめ
Multiple Kentucky Whiskey Distilleries File for Bankruptcy
今回の破産申請は、ケンタッキー州の他の蒸留所の経営難と重なる動きだ。
2024年初頭に操業を開始した独立系蒸留所ギャラード・カウンティ・ディスティリング(2億5,000万ドル規模)は、4月に未払い債務の精算ができずに管財人の管理下に入り、閉鎖された。
昨年末には、ストリ・グループUSAとその関連ブランドであるケンタッキー・アウルも破産を申請。CNNによると、アメリカ国内での酒類需要の長期的な低迷に加え、サイバー攻撃によって業務の大部分が停止したことが原因とされている。
さらに最近では、ケンタッキー・バーボンの代表格であるワイルドターキーの売り上げも落ち込んでいる。ブランドを所有するカンパリ・グループは2025年上半期決算で、ワイルドターキーおよびラッセルズ・リザーブの売上が前年同期比で8.1%減少したと報告。「アメリカ市場におけるワイルドターキーの需要鈍化」が要因とされている。
アメリカの酒類・ワイン業界では、先行き不透明な貿易環境の中で、収益確保のため人員削減に踏み切る企業も目立っている。2025年1月には、ジャック・ダニエルの親会社であるブラウン・フォーマンが全従業員の約12%を削減し、ケンタッキー州ルイビルにある樽製造工場を閉鎖する方針を発表した。
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