コラム

「高市大勝」に中国人が見せた意外な反応

2026年02月28日(土)20時42分
ラージャオ(中国人風刺漫画家)/トウガラシ(コラムニスト)

「正常国家化」に向けた日本の一歩

高市首相の勝利は、日本が「正常国家化」に向けた一歩を踏み出したことを意味する。興味深いことに、日本に居住する中国人の中には、平和憲法の改正を推進する高市政権を支持する人も少なくない。特に永住者や帰化者の場合、子供たちは日本で生まれ育ち、財産や事業、生活基盤が日本社会に深く根付いている。

居住国の安全が自身の家庭の安全につながるという発想から、日本が自衛力を強化すべきだというのが彼らの立場だ。


香港出身の作家である陶傑は高市首相の勝利を文化大革命後に復活した鄧小平になぞらえた。いわく、鄧が改革開放を断行したように、旧来の枠組みを打ち破り大胆に前進すべきで、隣国の批判や雑音に過度に左右される必要はない──。

今回の選挙に対する中国人の反応は実に多様だ。こうした多層的な反応は、もはや単純な「対立」「友好」の枠組みでは捉え切れない、現在の日中関係の複雑さを物語っている。

ポイント

陶傑
とう・けつ。英語名チップ・ツァオ。1958年香港生まれ。イギリスで大学院を卒業後、BBCなどの記者として活動開始。91年に香港に戻り、メディアに多数連載を持った。反共産党であり、日本は改憲が必要という立場。2021年にイギリスに移住。

鄧小平
とう・しょうへい、トン・シアオピン。1904年四川省生まれ。フランス留学中に共産党に入党。3度の失脚を経て共産党の実権を掌握し、78年からの改革開放路線を主導した。

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プロフィール

風刺画で読み解く中国の現実

<辣椒(ラージャオ、王立銘)>
風刺マンガ家。1973年、下放政策で上海から新疆ウイグル自治区に送られた両親の下に生まれた。文革終了後に上海に戻り、進学してデザインを学ぶ。09年からネットで辛辣な風刺マンガを発表して大人気に。14年8月、妻とともに商用で日本を訪れていたところ共産党機関紙系メディアの批判が始まり、身の危険を感じて帰国を断念。以後、日本で事実上の亡命生活を送った。17年5月にアメリカに移住。

<トウガラシ>
作家·翻訳者·コラムニスト。ホテル管理、国際貿易の仕事を経てフリーランスへ。コラムを書きながら翻訳と著書も執筆中。

<このコラムの過去の記事一覧はこちら>

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