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今年の米中間選挙はここが違う! 民主党が「多様化」したから共和党が「強い」
支持者が左傾化すればするほど、民主党はアイデンティティーの危機に陥る。
私が教えている若い学生たちに聞けば分かる。前回の大統領選の民主党予備選で、若者たちの支持を集める候補はピート・ブティジェッジだろうと、私は予想していた。なにしろ「若くて有能」を絵に描いたような男だ。しかしジョージタウン大学には、ブティジェッジを熱心に支持する学生は皆無に等しかった。うちの学生の半数以上が夢中になって推したのは、なんとバーニー・サンダースだった。
何という皮肉だろう。学生たちは忠実な民主党支持者を自称しつつ、実際には自称「無党派」のサンダースを熱烈に支持していた。これが共和党なら、無所属を自称するような候補者が予備選を勝ち抜ける可能性はゼロに近い。
前々回の2016年の大統領選でドナルド・トランプが勝てた理由の1つは、多くのサンダース支持者が(民主党の予備選を勝ち抜いたヒラリー・クリントンを嫌って)投票に行かなかったのに対し、共和党では予備選でトランプと争った候補の支持者たちも、本選では律義にトランプに票を投じたからだ。
逆に前回2020年の大統領選では、多くの民主党サンダース派がトランプの再選を恐れて投票所に足を運んだ。だからジョー・バイデンは勝てた。
だが、今度の中間選挙にトランプは出馬していない。だから民主党支持者は、選挙区に自分のイデオロギーを共有する候補がいなければ、投票所に行かない可能性が高い。そうなれば民主党は惨敗だ。だからこそ民主党は今回の中間選挙で「敵はトランプだ」というキャンペーンを張り、なんとか支持者を投票に行かせようとしてきた。

さて、中間選挙が大統領任期の最初の2年間に対する中間テストだとすれば、その結果は2年後の大統領選の行方を占う材料になる。しかし次回2024年の大統領選は、格別に異例な対決になりそうだ。
なにしろ現職のバイデンも、2020年に敗れたトランプも、まだ正式に出馬を表明していない。トランプは多くの訴訟を抱え、いくつかの疑惑で捜査の対象となっている。現職のバイデンは、2年後には81歳だ。
つまりどちらも、今回の中間選挙の結果とは別の理由で出馬を断念する可能性がある。誰が出るのか分からなければ、当然ながら勝敗の予想はできない。
敗北からの修正力が問われる
中間選挙では与党が議席を減らすのが常だが、仮に今回、民主党がその常識を覆したなら、バイデンには2期目を目指す資格があるだろう。だが大方の予想以上に議席を減らしたら、バイデンには再選出馬を断念せよという圧力が高まる。後継者を推薦するのは勝手だが、決めるのは予備選で投票する人たちだ。
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