コラム

日本・EUが進める中国「退去」、ロシア侵攻がグローバル経済「分断」の決定打に?

2022年09月28日(水)18時00分

アメリカの対中貿易はなぜか変化なし

2022年前半における中国の貿易動向を見ると、19年との比較において貿易シェアを大きく落としたのは日本とEUであり、一方、ASEANやロシアとの貿易シェアは大幅に拡大している。この数字だけを見ると確実に西側諸国と中国経済圏の分離が進んでいるように思えるが、不思議なことに、最も政治的対立が激しいアメリカのシェアは今のところ大きな減少は見られない。

アメリカは日本など他国に対して中国との分離を呼び掛けているものの、自身は引き続き中国と積極的に取引していることになる。これはアメリカが政治的に賢く立ち回った結果なのか、それとも米中経済があまりにも深くリンクしていることから、簡単にデカップリングを進められないのかは、現時点では判断できない。

少なくとも中国がASEANやロシアとの連携を緊密化させているのは事実であり、アジア太平洋地域で中国が中心的役割を果たすことは容易に想像できる。アメリカも自国製品を優先する流れであり、日本はどこで製品を造り、誰に売るのかという根本的な問題に直面しつつある。

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プロフィール

加谷珪一

経済評論家。東北大学工学部卒業後、日経BP社に記者として入社。野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当する。独立後は、中央省庁や政府系金融機関などに対するコンサルティング業務に従事。現在は金融、経済、ビジネスなどの分野で執筆活動を行うほか、テレビやラジオで解説者やコメンテーターを務める。『お金持ちの教科書』(CCCメディアハウス)、『スタグフレーション』(祥伝社新書)、『本気で考えよう! 自分、家族、そして日本の将来』 (幻冬舎新書)など著書多数。

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