ニュース速報
ワールド

デンマーク、トランプ氏のグリーンランド構想一蹴 NATO加盟国攻撃をけん制

2026年01月06日(火)07時33分

デンマークのフレデリクセン首相は5日、トランプ米大統領はデンマークの自治領グリーンランドの「取得」を真剣に考えているとの見方を示し、デンマークとグリーンランドはこうした意向を明確に拒否していると改めて表明した。写真は2025年2月、グリーンランドで撮影(2026年 ロイター/Ritzau Scanpix)

Jacob Gronholt-Pedersen

[コ‍ペンハーゲン 5日 ロイター] - デンマークのフレ‌デリクセン首相は5日、トランプ米大統領はデンマーク自治領グリーンランドの「取得」を真剣に考えているとの見方を示し、デンマークとグリー‌ンランドはこうした意向を​明確に拒否していると改めて表明した。

公共放送DRのインタビューで「残念ながら、グリーンランドを取得したいというトランプ氏の発言は真剣に受け止めなければならない」とし、「デンマークとしての立場は明確に示してきた。グリーンランドも繰り返し、‌米国の一部にはならないと明確に示している」と指摘。「米国が北大西洋条約機構(NATO)加盟国を攻撃すれば、全てが止まることになる」と懸念を示した。

グリーンランドのニールセン首相は記者会見で、グリーンランドは米国との関係強化を求めていると述べ、住民は米国による差し迫った併合を恐れる必要はないと強調した。

「(グリーンランドが)一夜にして乗っ取られるなどと考える状況にはない」とし、「グリーンランドをベネズエラと比べることはできない。われわれは民主主義​国家だ」と述べた。

トランプ氏は4日、雑誌アトランティック⁠のインタビューで「われわれはグリーンランドを絶対に必要としている。防衛の‍ために必要だ」と発言。5日には大統領専用機で記者団に対して、数週間後に再検討すると述べた。トランプ政権は南米ベネズエラのマドゥロ大統領を拘束し、今後は「ベネズエラを運営する」と主張。デンマークでは、グリーンランドにも同様の事態が起こりかねないと‍の懸念が高まっている。

これを受け、ニールセン氏は「脅威や圧力、編‍入の話が‌友好国の間に入る余地はない」とし、「空想はもうたくさんだ」‍と交流サイト(SNS)に投稿していた。

欧州各国は5日、この問題を巡りデンマークとグリーンランドを支持する立場を強調。スターマー英首相は記者団に「グリーンランドの将来はグリーンランドとデンマークが決定すべきだ。他の誰でもない」と指摘した。ドイツのワーデフール外相は5日、⁠グリーンランドはデンマークに属するとし、必要な場合はNATOがグリーンランドの保護強化を協議する可能性を示唆した。欧州連合(EU)欧州⁠委員会の報道官は、EUは国家主権の原則を堅持‍すると述べた。フランスも連帯を表明したほか、北欧やバルト諸国もデンマークとグリーンランドへの支持を表明した。

北極圏にあるグリーンランドは、米国の弾道ミサ​イル防衛システムの重要な拠点で、鉱物資源を豊富に埋蔵している。トランプ氏は第1次政権時代の2019年以降、編入意欲を繰り返し表明。25年12月には、グリーンランド編入構想を支持している南部ルイジアナ州のランドリー知事をグリーンランド特使に任命した。 

ロイター
Copyright (C) 2026 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

英建設業、金融危機以降で最長の低迷 12カ月連続マ

ビジネス

フジHD、旧村上系がサンケイビル買収検討 情報リス

ビジネス

サムスン電子、従業員報酬向けに自社株17.3億ドル

ビジネス

百貨店、バレンタイン商戦で物価高対策に腐心 チョコ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    日本も他人事じゃない? デジタル先進国デンマークが「手紙配達」をやめた理由
  • 4
    「見ないで!」お風呂に閉じこもる姉妹...警告を無視…
  • 5
    トランプがベネズエラで大幅に書き換えた「モンロー…
  • 6
    「悪夢だ...」バリ島のホテルのトイレで「まさかの事…
  • 7
    若者の17%が就職できない?...中国の最新統計が示し…
  • 8
    マドゥロ拘束作戦で暗躍した偵察機「RQ-170」...米空…
  • 9
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 10
    「グリーンランドにはロシアと中国の船がうじゃうじ…
  • 1
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチン、その先は袋小路か
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    中国軍の挑発に口を閉ざす韓国軍の危うい実態 「沈黙」は抑止かそれとも無能?
  • 4
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 5
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 9
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 10
    アメリカ、中国に台湾圧力停止を求める
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 6
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中