カタール、ガス生産国に貿易障壁反対を呼びかけ

　１０月２３日、カタールのカアビ・エネルギー相（写真）は、天然ガス生産国が貿易障壁に反対する姿勢を明確にするべきだと述べ、欧州連合（ＥＵ）の「企業持続可能性デューデリジェンス指令（ＣＳＤＤＤ）」に対し改めて反対を表明した。写真は、カタール・ドーハでシノペックとの調印式に出席する同氏。２０２２年１１月撮影（２０２５年　ロイター/Imad Creidi）

[ドーハ ２３日 ロイター] - カタールのカアビ・エネルギー相は２３日、天然ガス生産国が貿易障壁に反対する姿勢を明確にするべきだと述べ、欧州連合（ＥＵ）の「企業持続可能性デューデリジェンス指令（ＣＳＤＤＤ）」に対し改めて反対を表明した。

カタールは世界有数の液化天然ガス（ＬＮＧ）輸出国で、ＥＵが２０２４年に採択したＣＳＤＤＤが国営企業カタール・エナジーにとって重大なリスクをもたらすと主張している。

ＣＳＤＤＤは域内で事業を展開する大企業に対し、サプライチェーンの人権や環境問題を特定・是正するよう義務付け、違反した場合に全世界の売上高の５％に相当する罰金などの経済的制裁が科される。

欧州議会は２２日、ＣＳＤＤＤの追加修正を検討することに合意したため、カタールと世界最大のガス生産国の米国がＥＵに規制緩和を求める圧力を強めている。

カアビ氏は「われわれはとりわけ天然ガスのようなエネルギー製品に不利となる貿易障壁や差別的措置に反対する立場を明確にしなければならない」と述べた。