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IMF、アジアに貿易障壁の引き下げ要請 米関税などに対応

2025年10月24日(金)12時02分

  国際通貨基金(IMF)は24日、アジアに対し、米国の関税や世界的な金融ショックに対する脆弱性を軽減するため、非関税障壁を引き下げ、地域貿易を統合するよう求めた。写真は中国山東省で20日撮影(2025年 ロイター/China Daily)

Leika Kihara

[24日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は24日、アジアに対し、米国の関税や世界的な金融ショックに対する脆弱性を軽減するため、非関税障壁を引き下げ、地域貿易を統合するよう求めた。

アジア地域経済見通し報告書で、貿易はアジアの経済成長の中心であり、中国は世界中の商品生産におけるサプライチェーン(供給網)ハブとなっているため、米中貿易摩擦や米関税による打撃を受けやすいと指摘。米国との貿易摩擦と人工知能(AI)投資ブームがアジアにおける域内貿易の増加をもたらしていると述べた。

貿易障壁の撤廃を含め、地域貿易の統合をさらに推進することで、アジア諸国は輸出市場を多様化し、コストを削減し、関税ショックによる逆風をある程度相殺することができるだろう、としている。

IMFアジア太平洋局長のクリシュナ・スリニバサン氏はロイターに対し「アジアが域内統合を進めれば、それ自体が外的ショックに対する緩衝材となる」と語った。

IMFは、2025年のアジア経済が4.5%成長すると予測。昨年の4.6%から鈍化するものの、米関税引き上げを控えた前倒し出荷もあり輸出が好調なため、4月時点から0.6%ポイント引き上げられた。

貿易摩擦の影響、中国の需要低迷、新興国の個人消費軟化により、26年の成長率は4.1%に鈍化する見通し。

ロイター
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