アングル:政権の座狙う仏極右、政治危機生んだ主要政党との距離が追い風に

フランスの極右政党、国民連合(RN)が昨年の国民議会(下院)選挙で過半数議席獲得に失敗した後、指導者のマリーヌ・ルペン氏(写真)は、RNが勝利する時期が単に先送りされただけだと豪語した。10月7日、パリで撮影(2025年 ロイター/Stephanie Lecocq)
Gabriel Stargardter Elizabeth Pineau
[パリ 9日 ロイター] - フランスの極右政党、国民連合(RN)が昨年の国民議会(下院)選挙で過半数議席獲得に失敗した後、指導者のマリーヌ・ルペン氏は、RNが勝利する時期が単に先送りされただけだと豪語した。
それから1年3カ月が経過してフランス政治が慢性的な危機状態に陥り、マクロン大統領が何とかして再選挙を避けようと苦闘する中で、ルペン氏とRNはいよいよ「その時」が近づいてきたと感じている。
主流政党から排除され続けているRNは、政局の混乱がもたらす弊害による最大の受益者。危機が進んでいくのを傍観できるため、不満を抱える有権者を取り込むことが可能だ。
<世論調査で優勢>
右派のニュース専門チャンネル「CNEWS」のためにオピニオンウェイが8日行った世論調査によると、再び国民議会選挙が実施された際に第1回投票でRNに入れると答えた人は全体の約35%と、再結成を想定した場合の左派連合の10%を大きく上回った。
RNの支持率は昨年の選挙前よりわずかに高いだけで、有権者の動きが劇的に変わったとは言いがたい。それでもRNは、マクロン氏が解散総選挙を宣言すれば、過半数か過半数近くの議席を得られると信じている。
その理由は、昨年主要政党がRNの政権獲得を阻止するために結んだ選挙協力協定が、党派間の激しい対立を経て、もはや効力を失おうとしていることにある。社会党と極左政党「不屈のフランス」による左派連合は崩壊し、中道派と保守派の「共通基盤」も風前の灯火になった。
マクロン氏は次期首相を今週中に任命する方針だが、次期内閣が無事存続できる保証は乏しい。複数の専門家の話では、ルペン氏が繰り返し求めている数週間中の解散総選挙が実現する可能性は決して排除できないという。
ルペン氏は、RNが過半数に程遠い議席にとどまれば政権を目指さないが、過半数に迫ればほかの政党から議員を引き抜く多数派工作に乗り出す構え。最も「草刈場」になりそうなのは、保守派の共和党とみられる。
RNは何カ月もかけて候補者選定も入念に進めている。昨年の選挙で党勢を失速させた反ユダヤ主義やイスラム恐怖主義、人種差別主義などの候補者を擁立するのを避けたいからだ。
所属議員のジュリアン・オドゥール氏はロイターに「目標は過半数を確保し、国民に納得してもらい、われわれの政策が早急な成果を生み出すとともに(極右アレルギーは)解毒が可能だと証明することだ」と語った。
<政権担う準備整う>
かつて反ユダヤ主義や人種差別主義の代名詞だったRNは、2017年以降、フランス社会で移民への反感が強まるのに伴って、またルペン氏が組織のてこ入れを図る中で着実に勢力を伸ばしてきた。多くの国民はなおRNにアレルギーを持っているが、RN自体は政権を担う体制が整ったとみている。
ただRNの政権が誕生したとしても、ルペン氏がそこでどのような役割を果たすかはまだ分からない。ルペン氏は今年3月、公金不正流用罪に問われた裁判で公職立候補の権利(被選挙権)の5年間停止を命じられ、2027年大統領選への出馬を事実上禁止された。ルペン氏側が不服として控訴しており、来年夏までには裁判所の判断が示される見通し。
そのためマクロン氏が解散総選挙に動いても、ルペン氏が国民議会に再出馬できないのはほぼ確実だ。ただ議席を得られなくても、政治的影響力が衰える公算は乏しい。
<バルデラ氏でイメージ刷新できるか>
控訴審でもルペン氏の有罪が認定され、27年大統領選に出馬できなくなれば、代わりに30歳の若さで党首を務めるジョルダン・バルデラ氏が大統領候補になる、とルペン氏は明言している。
この展開はRNにとって悪い話ではないかもしれない。ルペン氏の場合はどうしても父親、故ジャン・マリー氏の印象がつきまとう。ジャン・マリー氏はRNの前身、国民戦線の創設者で、人種差別発言などで複数回有罪判決を受けた。
こうした「負の遺産」が響き、過去2回の大統領選決選投票でRNが敗北する結果につながったと言える。
トルーナの世論調査では、大統領選第1回投票でバルデラ氏に入れると答えた有権者の割合は35%、ルペン氏との回答は34%で、5月の前回調査からバルデラ氏が5ポイント上昇したのに対して、ルペン氏は3ポイント上昇にとどまった。
イタリア移民の息子でパリ近郊の貧しい地域で育ったバルデラ氏は、RNの人気を高めている。従来は高齢層や中間層、岩盤保守層が支持していたRNに、インフレで痛めつけられ、雇用不安を抱える若者やブルーカラー層も呼び込んでいる。
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