EUが11億ドルの「AI活用戦略」、主要産業の利用促進図る

10月8日、欧州連合(EU)欧州委員会は、域内主要産業の人工知能(AI)利用促進を図る総額10億ユーロ(11億ドル)規模の「AI活用戦略」を発表した。ブリュッセルのEC本部で7月撮影(2025年 ロイター/Yves Herman)
Foo Yun Chee Inti Landauro
[ブリュッセル 8日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は8日、域内主要産業の人工知能(AI)利用促進を図る総額10億ユーロ(11億ドル)規模の「AI活用戦略」を発表した。
4月に打ち出した行動計画に沿った取り組み。この行動計画は、昨年8月に発効したEUのAI利用規則の順守に苦戦するスタートアップ企業のコストや規制面での負担軽減を目的としている。
EUはこうした動きを通じて、先端技術分野で米国や中国への依存を減らそうという狙いもある。
欧州委はAI利用を拡大すべき産業として医療、製薬、エネルギー、モビリティー、工業、建設、農業食品、防衛、通信、文化を挙げた。具体的には、医療におけるAIベースの先端的な検査センター設置や、工業、気候、製薬などでの自律型AIの開発などを目指す。
フォンデアライエン委員長は「AIの未来を欧州が(独自に)生み出したい。AIの採用を普及する必要があり、これらの戦略は普及プロセスの加速に役立つ。ロボットから医療、エネルギー、自動車まで全ての重要セクターで『AIファースト』を推進していく」と述べた。