イラク、米エクソンと大規模油田開発で基本合意 生産拡大目指す

イラクと米石油大手エクソンモービルは８日、イラク南部の大規模油田マジュヌーンの開発と石油輸出拡大に向けた支援に関して基本合意した。写真は２０２１年１１月、ニューヨーク市ブルックリンのガソリンスタンドで撮影（２０２５年　ロイター/Andrew Kelly）

［バグダッド　８日　ロイター］ - イラクと米石油大手エクソンモービルは８日、イラク南部の大規模油田マジュヌーンの開発と石油輸出拡大に向けた支援に関して基本合意した。政府関係者などが明らかにした。

イラクは改善した条件を整えて、石油・ガス生産の拡大を目指しており、米シェブロン、英ＢＰ、フランスのトタルエナジーズなどに続く動き。エクソンは、約２年前にイラクから撤退していた。

イラク南部のバスラから約６０キロにあるマジュヌーン油田は埋蔵量が３８０億バレルと推定され、世界最大級の油田の一つ。イラクは現在の生産量である日量４００万バレル程度から、２０２９年までに６００万バレルを上回る水準まで生産量を増やすことを目指している。

業界アナリストによると、今回の合意はイラク政府がエネルギー分野を近代化し、米政権との関係改善を目指す動きの一環とみられる。イラクのスダニ首相は合意を発表したものの、詳細に関しては明らかにしなかった。一方、エクソンの広報担当者は「イラク石油省との基本合意（ＨＯＡ）締結は喜ばしいことだ」と述べた。

関係者４人によると、合意には、原油および精製品に関する利益分配が含まれ、イラク南部の石油輸出インフラの向上も計画されている。イラクの国営石油会社ＳＯＭＯも、アジア市場での貯蔵能力を確保するためエクソンと合意を結ぶ予定という。イラクのメディアは、ＳＯＭＯがエクソンのシンガポールに持つ貯蔵施設を利用する可能性があると報じていた。