クルド自治区の原油輸出、まだ再開せず 石油各社が債務返済保証を要求

　イラク北部クルド自治区からトルコを経由する原油の輸出は、２３日の時点でまだ再開していない。写真はクルド自治区アルビルの油田。２０１４年８月撮影（２０２５年　ロイター/Azad Lashkari）

[バグダッド ２３日 ロイター] - イラク北部クルド自治区からトルコを経由する原油の輸出は、２３日の時点でまだ再開していない。主要な石油会社２社が自治政府に対し、債務返済を保証するよう求めているためだ。

クルド人自治区で生産量が最も多いノルウェー企業ＤＮＯは、ビジャン・モサバルラフマニ執行会長がクルド自治政府に「すぐに合意できる簡単な解決策」を提案したと説明したが、提案の具体的内容は明らかにしなかった。またＤＮＯと提携している英石油生産会社ゲネル・エナジーは、一定程度の修正と債務返済保証を求めており、まだ合意に署名していないと述べた。

クルド自治区政府が石油会社に対して抱える未払い債務は１０億ドル程度に上っており、ＤＮＯへの未払いは推定で３億ドル程度。

ビジャン・モサバルラフマニ氏は「（ＤＮＯは）最大の生産者であるため、クルド自治政府の未払い債務が他の多くの企業よりもかなり多い」と述べた。

クルド自治区からのトルコ経由の原油輸出は２０２３年３月以来止まっているが、イラク政府とクルド自治政府は先に日量２３万バレル程度の輸出再開を目指すことで石油企業と合意した。