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米南部で木につるされた黒人学生の遺体、活動家らが徹底捜査要求

2025年09月18日(木)23時24分

Kanishka Singh

[ワシントン 17日 ロイター] - 米南部ミシシッピ州の大学構内で15日、黒人の大学生が木につるされた状態で死亡しているのが見つかった。当局は他殺の証拠はないとしているものの、公民権活動家らは徹底した捜査を求めている。

死亡が確認されたのはデマートラビオン・リードさん(21)。ミシシッピ州クリーブランドにあるデルタ州立大学の構内で15日早朝に発見された。

警察は今回の死亡について「単独の事案」とし、学生や教職員に対する脅威はないと述べた。

大学によると、複数の当局が捜査に協力している。連邦捜査局(FBI)は声明で、地元当局の捜査で連邦法違反の可能性が浮上すれば、捜査に乗り出す用意があると表明した。

地元の検視当局は、リードさんが生前に暴行などを受けたことを示す証拠はないとしている。遺体は州の犯罪研究所に搬送されており、正式な検視が行われる予定。

ミシシッピ州では19ー20世紀にかけてリンチや人種差別的暴力の歴史があることから、活動家らは捜査の透明性を求めている。

民主党のトンプソン下院議員は、「真相解明に向けて、あらゆる手段を尽くすべきだ。ミシシッピ州の黒人が経験してきた痛ましい歴史を無視することはできない」と述べ、連邦レベルでの捜査を求めた。

リードさんの遺族から依頼を受けた公民権弁護士のベン・クランプ氏は、遺族が独立した検視を求めていることを明らかにした。同氏は、警官による黒人殺害事件を複数担当した実績で知られる。

デルタ州立大の昨年の学生数は2600人超で、4割以上が黒人だった。

ロイター
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