ウクライナ政府庁舎で火災、侵攻後最大規模の空爆 乳児含む4人死亡

　ウクライナ各地で６日夜から７日朝にかけてロシアによる侵攻後最大規模の空爆があり、乳児を含む少なくとも４人が死亡、首都キーウ（キエフ）中心部の政府庁舎では火災が発生した。写真は、攻撃で被害を受けた集合住宅の火災。９月７日、キーウで撮影（２０２５年　ロイター/Thomas Peter）

Lidia Kelly　Olena Harmash

［キーウ　７日　ロイター］ - ウクライナ各地で６日夜から７日朝にかけてロシアによる侵攻後最大規模の空爆があり、乳児を含む少なくとも４人が死亡、首都キーウ（キエフ）中心部の政府庁舎では火災が発生した。ウクライナ当局者が７日明らかにした。

スビリデンコ首相によると、キーウの政府庁舎が攻撃を受けたのは侵攻後初めて。

ゼレンスキー大統領は大量の無人機とミサイルによって北部、南部、東部で被害が発生し、４人が死亡したと指摘。「真の外交がずっと前に始まっていてもよい今、このような殺害をするのは意図的な犯罪で、戦争の長期化だ」とＸに投稿し、欧米などにウクライナの防空体制強化を改めて訴えた。

また、フランスのマクロン大統領と電話協議し、外交努力や今後の対応などを調整したと明らかにした。

ポーランドのトゥスク首相はＸへの投稿で、ロシアによるウクライナ政府への攻撃は「（ロシアの）プーチン大統領に対する強い対応を遅らせ続けることや、同大統領に譲歩しようとする試みが無意味であることを改めて示した」と述べた。

キーウではこのほか複数の集合住宅が攻撃を受け、損壊した４階建てアパートのがれきの中から乳児の遺体が発見された。内務省によると、キーウでは２０人以上が負傷した。

ロシアはウクライナに向けて無人機８０５機とミサイル１３発を発射。使用された無人機は侵攻後最多となった。ウクライナ空軍は無人機７５１機とミサイル４発を撃墜した。

タス通信によると、ロシア国防省はウクライナの軍産複合体と交通インフラへの攻撃を実施したと発表した。