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米有権者、民主主義に危機感 「ゲリマンダリングは有害」=調査

2025年08月21日(木)19時14分

8月21日、 ロイター/イプソスの世論調査によると、米国の有権者の過半数が、特定の政党に有利なように選挙区を再編成する「ゲリマンダリング」は民主主義にとって有害だと考えていることが明らかになった。写真は20日、下院選挙区の再編成が進められているテキサス州議会で記者会見する民主党州下院議員ら(2025年 ロイター/Sergio Flores)

Jason Lange Nolan D. McCaskill James Oliphant

[ワシントン 21日 ロイター] - ロイター/イプソスの世論調査によると、米国の有権者の過半数が、特定の政党に有利なように選挙区を再編成する「ゲリマンダリング」は民主主義にとって有害だと考えていることが明らかになった。

調査は全米の成人4446人を対象に18日までの6日間に実施した。

回答者の57%が「米国の民主主義そのものが危険にさらされている」と回答。民主党支持者の8割、共和党支持者の4割が危機感を示した。

テキサス州やカリフォルニア州で進められているようなゲリマンダリングについて「民主主義にとって悪い」と回答したのは全体の55%。民主党支持者の71%、共和党支持者の46%がこうした見解を示した。

共和党のアボット・テキサス州知事はトランプ大統領の強い意向を受け、2026年の中間選挙を前に、下院選挙区の再編成に向け州議会の特別会期を招集。共和党が下院で持つ219対212の議席差を守る狙いがある。

これに対し、28年の大統領選候補と目される民主党のニューサム・カリフォルニア州知事も、テキサス州の動きに対抗するため、州内の選挙区再編成を示唆している。

<有権者同士の不信感も広がる>

今回の調査では、支持政党の異なる有権者の間で互いの不信感が広がっている実態も判明した。

民主党支持者の55%は「共和党員は信頼できない」との見方に同意、32%は「そうは思わない」と回答した。一方、共和党支持者では43%が「民主党員は信頼できない」との見方に同意し、44%が「そうは思わない」と答えた。

また、政治が日常生活に与える影響も大きくなっている。昨年の大統領選が友人関係に悪影響を与えたと回答した民主党支持者は27%に上り、2017年の調査の18%から増加した。共和党支持者で同様の回答をしたのは10%だった。

民主党支持者の46%は「自分の支持する政党が進むべき道を見失った」と回答。共和党支持者で同様の回答をしたのは19%だった。

アナリストは、民主党員が共和党員との交流を避ける傾向があり、民主党の政治的地位の回復を妨げる可能性があると分析している。

ロイター
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