緑の気候基金、途上国のプロジェクト17件に12億ドル投資へ

発展途上国の気候変動対策を支援する国際基金「緑の気候基金(GCF)」は今週開いた理事会で、アジア・アフリカを中心とする途上国のプロジェクト17件に総額約12億ドルを投じる計画を承認した。1回の理事会で承認された投資規模としては過去最大。GCFが2019年10月にパリで開いた第1次増資に向けた会合を撮影(2025年 ロイター/Pascal Rossignol)
[ロンドン 4日 ロイター] - 発展途上国の気候変動対策を支援する国際基金「緑の気候基金(GCF)」は今週開いた理事会で、アジア・アフリカを中心とする途上国のプロジェクト17件に総額約12億ドルを投じる計画を承認した。1回の理事会で承認された投資規模としては過去最大。
GCFの共同理事長を務めるセイニ・ナフォ氏は「包括的な気候変動対策がこれまで以上に必要とされている状況下で、GCFは責務を果たす取り組みを強化している」と述べた。
計画には、10カ国で環境債(グリーンボンド)市場を拡大する取り組みに2億2700万ドルを投じる措置も盛り込まれた。
南アジアでは、再生可能エネルギーとエネルギーの効率化を推進する「インディア・グリーン・ファイナンス・ファシリティー」に2億ドルを投資。アフリカ東部では約1800万人の生活を支援する食料システムに1億5000万ドルを投じる。
GCFの理事会はまた、提携する組織との作業を加速する計画も承認した。
経済協力開発機構(OECD)が6月に公表した報告書によると、トランプ米大統領が対外支援を大幅に削減していることが響き、公式な開発支援は今年17%減少する可能性がある。
このように開発支援が削減される状況下でも、今週のGCF理事会では約12億ドルの投資計画が米国を含む理事国によって承認された。