国連安保理が緊急会合、米のイラン攻撃受け 中ロは即時停戦要求

6月22日、国連安全保障理事会は、米国のイラン核施設攻撃を協議する緊急会合を開き、ロシア、中国、パキスタンが無条件の即時停戦を求める決議案を提示した。写真は、国連安全保障理事会の会合。同日、ニューヨークで撮影(2025年 ロイター/Eduardo Munoz)
[国連 22日 ロイター] - 国連安全保障理事会は22日、米国のイラン核施設攻撃を協議する緊急会合を開き、ロシア、中国、パキスタンが無条件の即時停戦を求める決議案を提示した。
会合はイランが要請。同国は「この露骨かつ違法な侵略行為に対処し、可能な限り最も強い言葉で非難」するよう求めた。
グテレス事務総長は会合で「米国によるイラン核施設への爆撃は危険な転換点だ」とし、「戦闘を停止し、イランの核開発に関する真剣かつ持続的な交渉に戻るため、直ちに断固たる行動を取らなければならない」と訴えた。
ロシアと中国は米国の攻撃を非難。中国の傅聡国連大使は「中東の平和は武力行使では達成できない。対話と交渉こそが現状の根本的な解決策だ」とし、「イラン核問題に対処するための外交手段は尽きておらず、平和的解決への希望はまだ残っている」と述べた。
一方、米国のシェイ臨時代理大使は同国が断固たる行動を取るべき時が来たとし、安保理はイランに対して核兵器開発を中止し、イスラエルを滅亡させようとする取り組みをやめるよう求めるべきだと主張。
「イランは長らく核兵器計画を曖昧にし、最近の交渉でわれわれの誠意ある努力を妨害してきた」とした上で、「イランは核兵器を保有することはできない」と強調した。
ロシアのネベンジャ大使は2003年に当時のパウエル米国務長官が安保理で、イラクのフセイン政権が化学兵器と生物兵器を備蓄し、世界に対する差し迫った脅威になっていると主張したことに言及。「われわれは再び米国のおとぎ話を信じるよう求められている」と述べた。
決議案の採決がいつ行われるかは不明。ロシア、中国、パキスタンは23日夜までに意見を提出するよう各国に求めた。
ロイターが確認した決議案には、イラン核施設への攻撃を非難する文言も含まれており、米国は反対する可能性が高い。決議案は米国やイスラエルを名指ししていない。