トランプ政権、AUKUS見直し 豪州の原潜購入に影響か

6月11日、トランプ米政権は、バイデン前政権がまとめた英国・豪州との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」について、豪州が原子力潜水艦を購入する協定を見直す作業を正式に開始した。ホワイトハウスで5月6日撮影(2025年 ロイター/Kent Nishimura)
Phil Stewart Idrees Ali David Brunnstrom
[ワシントン 11日 ロイター] - トランプ米政権は、バイデン前政権がまとめた英国・豪州との安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」について、豪州が原子力潜水艦を購入する協定を見直す作業を正式に開始した。
米国防当局者がロイターに明らかにした。
豪州は中国の軍事力拡大を巡る緊張が高まる中、自国の防衛で原潜を重視しており、米国の動きを警戒する可能性が高い。また、AUKUSは英国の潜水艦隊増強計画でも中心的な役割を果たしており、英国の防衛計画に支障を来す可能性がある。
米国防当局者は「AUKUSを見直している。この前政権の取り組みがトランプ大統領の『米国第一』政策と合致しているか確認する作業の一環だ」とし「AUKUSに対する政権の方針が変わった場合、適切な時期に公式ルートを通じて伝達することになる」と述べた。
AUKUSは、中国の覇権拡大を巡る懸念に対処するため2021年に創設された。豪州が攻撃型原潜や極超音速ミサイルなど先進兵器を購入する。
ただ、トランプ政権内にはAUKUSに懐疑的な声が出ており、国防総省幹部のエルブリッジ・コルビー氏は、米軍の潜水艦は極めて重要で希少な資源であり、国内生産では自国の需要を満たせないと警告している。