中独首脳、関係の重要性確認 米関税措置への直接言及避ける

中国の習近平国家主席とドイツのメルツ首相は23日、電話会談し、両国関係の重要性を強調した。写真は9日、対独戦勝80周年記念の式典に出席した習主席。(2025年 ロイター/Evgenia Novozhenina)
[北京/ベルリン 23日 ロイター] - 中国の習近平国家主席とドイツのメルツ首相は23日、電話会談し、両国関係の重要性を強調した。両国などがともに米関税措置を巡る対応に苦慮する中、習氏は世界が100年に一度の変化に直面しており「混乱と変革が複雑に絡み合っている」と述べた、と中国国営中央テレビ(CCTV)が報じた。
習氏は「中国はドイツと協力し、両国の全面的な戦略的パートナーシップの新たな章を開き、中国と欧州連合(EU)の関係を深めて世界経済の安定成長に貢献したい」とも発言したと報じられた。ドイツ政府は、両首脳が世界的な課題を乗り越えるため協力する考えを強調したと明らかにした。
ただ、両首脳とも米関税措置については直接的な発言は控えたもようだ。欧州と中国は米国にとって主要貿易相手国の一つ。一方、2024年の中国とドイツの貿易額は、約2460億ユーロ(約2790億ドル)だった。
ドイツは近年、中国との関係に苦慮してきた。ドイツは中国を戦略的ライバルとして意識する一方、中国の巨大な市場を重要な輸出先だとも位置付けている。
EUと中国は、中国製の電気自動車(EV)を巡って対立。中国は今月初め、ドイツによる中国依存を減らす動きを踏まえ、協力関係を損なわないよう強く求めていた。