アングル:米大統領執務室でのドラマ再び、要人は招待受け入れに二の足も

5月21日、トランプ米大統領は、テレビカメラが居並ぶ大統領執務室で会談相手の南アフリカのラマポーザ大統領に不意打ちを食らわせた。写真は大統領執務室で会談する両首脳(2025年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 21日 ロイター] - トランプ米大統領は21日、テレビカメラが居並ぶ大統領執務室で会談相手の南アフリカのラマポーザ大統領に不意打ちを食らわせた。同執務室は本来、外国要人を歓迎する名誉ある場所だが、リアリティ番組スターの経歴があるトランプ氏には、外国元首をさらし者にする政治ショーの場ともなっている。
ウクライナのゼレンスキー大統領が2月に面罵されたのも同執務室だった。ラマポーザ氏の場合もホワイトハウスが最大限の演出効果を狙って仕組んだ異例のシーンだったのは明らか。トランプ氏はラマポーザ氏に対し、南アフリカで白人大量殺害や土地収用など「ジェノサイド(大量虐殺)」が起きていると事実無根の主張を並べ立てた。
トランプ氏が弱い国の外国要人に恥をかかせたり、自身が固執する問題で圧力をかけたりするためには、執務室が格好の場所になると考えていることが改めて示された形だ。
大統領執務室を見せしめの場に使った例はトランプ氏以前にはなかった。政治ショーの舞台に使われるリスクがある以上、外国首脳はホワイトハウスへの招待の受け入れに二の足を踏む可能性がある。そうなれば、米国の天敵である中国から働きかけを受けている友好国などとの関係強化が困難になりかねない。
オバマ政権で駐南ア大使を務めたパトリック・ガスパード氏はXに投稿し、トランプ氏がラマポーザ氏との会談を「恥ずべき見世物」に変えたと批判した。「偽の殺人映像と暴力的なレトリックを使って徹底的にやり込めた。トランプ氏の土俵で交渉しても誰もうまく行かない」と言い切った。
今回の大統領執務室での会談は、特にトランプ氏による高関税導入後の米南ア関係を立て直す機会として位置づけられており、加えて、「白人ジェノサイド」という根拠のない非難に伴う緊張の緩和と、白人少数派アフリカーナーを米国に定住先として受け入れるという提案について話し合う場と見なされていた。
会談に臨んだラマポーザ氏はトランプ氏への反論に備え用意周到なのが明らかだった。しかし、政治ショーまでは予期していなかったようだ。そこでラマポーザ氏は、議論を望む姿勢を見せつつも、用心深く言葉を選んで応じた。トランプ氏が短気で知られるためで、正面から厳しく反論することを控えた。
ラマポーザ氏は「飛行機を差し上げられず申し訳ありません」と笑みを浮かべて冗談を飛ばした。中東カタールがトランプ氏に大統領専用機エアフォースワンの代替機として贈ると申し出た高級ジェット機に絡めた発言だった。
ラマポーザ氏の報道官は、南ア放送局に「ラマポーザ大統領が挑発されていることは明らかだった。揺さぶりをかけられたが、罠にはまらなかった」と述べた。
<ゼレンスキー氏との怒鳴り合い>
ゼレンスキー氏は2月、ロシアの侵略と戦うため米国の軍事支援を求めてトランプ氏と同執務室の会談に臨んだ。その際、議論はすぐに横道に逸れ、ゼレンスキー氏はトランプ氏から無礼で第3次世界大戦の可能性に賭けていると批判を浴びた。バンス副大統領も加わって双方が激しい言い争いのまま終わった。
その時と比べればラマポーザ氏との会談は対照的な雰囲気だった。南アにはウクライナほど重大な懸案はなかったかもしれないが、アフリカで重要な政治、経済的地位を占める国だ。最大の貿易相手が中国で、米国は第2位に位置している。
トランプ氏がラマポーザ氏に対決姿勢を示したのは、自身の支持基盤の一部、特に南アの「白人虐殺」という作り話を長年繰り返してきた極右や白人至上主義者層に訴えかけることが狙いだった様子だ。
トランプ氏は国内右翼過激派の間では注目度の高い論点を巧みに引き合いに出し、白人農民が暴力を受けているとの真偽不明の主張を前面に出して南アの土地改革を人種差別的な迫害と位置付けた。
南アの新たな土地改革法は、かつてのアパルトヘイト(人種隔離)体制下で黒人が受けていた不公正な扱いを是正することを目的としている。例えば、農地が休耕状態にあれば、公共の利益の観点から補償なしでの収用を認めている。だが、こうした収用は実際には行われておらず、いかなる収用命令に対しても裁判で異議を申し立てることができる。
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