米管制網近代化へ予算増額を要請、航空会社幹部らが議会に書簡

5月21日、大手航空会社の最高経営責任者(CEO)らが、老朽化した米国の航空管制システムは「国民の信頼を裏切っている」として、近代化のため数十億ドル規模の予算を承認するよう求める書簡を議会に送った。写真はアメリカン航空の機体。昨年8月、ワシントン・ダレス国際空港で撮影(2025年 ロイター/Umit Bektas)
David Shepardson
[ワシントン 21日 ロイター] - 大手航空会社の最高経営責任者(CEO)らが21日、老朽化した米国の航空管制システムは「国民の信頼を裏切っている」として、近代化のため数十億ドル規模の予算を承認するよう求める書簡を議会に送った。
米連邦航空局(FAA)の管制網を巡っては長年問題が指摘されてきたが、このところのニアミスなどに加え、1月に発生したアメリカン航空の旅客機墜落事故を受けて国民の不安が高まり、新たな対策を求める声が上がっている。
航空会社幹部らは共同書簡で、ニューアーク空港で最近発生している管制施設トラブルを挙げ、FAAの技術は「著しく時代遅れ」と指摘。「航空はなお米国で最も安全な交通手段だが、今後もそうあり続けるには直ちに抜本的な改修が必要だ」と訴えた。
その上で、2023年の独立調査で安全性への懸念が示されたことを引用し、週末のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)から夏の旅行シーズンが始まることを踏まえて緊急の対策を求めた。
FAAは20日、滑走路建設、技術的問題、慢性的な航空管制官不足によりニューアーク空港で一時的な減便が実施されたにもかかわらず、メモリアルデーは記録的な便数になるとの予想を示した。