ニュース速報
ワールド

「影の船団」タンカー拿捕失敗、ロシアが戦闘機派遣=エストニア

2025年05月15日(木)17時37分

 エストニア海軍は15日までに、英国が制裁を科したロシア行きの石油タンカー「ジャガー」について、エストニア首都タリン沖で旗を掲げずに航行する違法行為のため13日に拿捕しようと試みたが、同船が協力を拒否したため臨検できず、代わりにロシア海域まで護送したと明らかにした。写真は、フィンランド湾をパトロールするエストニアの船。2月13日、バルト海で撮影(2025年 ロイター/Janis Laizans)

Andrius Sytas

[タリン 15日 ロイター] - エストニア海軍は15日までに、英国が制裁を科したロシア行きの石油タンカー「ジャガー」について、エストニア首都タリン沖で旗を掲げずに航行する違法行為のため13日に拿捕しようと試みたが、同船が協力を拒否したため臨検できず、代わりにロシア海域まで護送したと明らかにした。

英国が9日に制裁リストに追加した同船は、制裁を回避するための船舶だとして西側諸国が非難するロシアの「影の船団」約100隻のうちの1隻。これらの船舶は通常、西側の正規組織による規制や保険を受けていない。

これに関連してエストニアはのツァクナ外相は15日、訪問先のトルコの都市アンタルヤで記者団に対し、海軍が拿捕しようとした際に「ロシアが状況を確認するために戦闘機を派遣し、同機は1分近く北大西洋条約機構(NATO)領空を侵犯した」と述べた。

その上で「ロシアは『影の船団』を守る準備ができている。状況は本当に深刻だ」と付け加えた。

これに先立ってはX上で、ロシアは「より厳しい、迅速な制裁」に直面するべきとの考えも示した。

ロシア外務省からは今のところコメントを得られていない。

「マリン・トラフィック」のデータによると、ジャガーは15日、ロシア・プリモルスク港の近くに停泊。アフリカ中部に位置するガボンの国旗を掲げているとされている。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏、貿易摩擦・債務・市場乱高下が主要リスク=

ビジネス

日産CEO、日米関税交渉の加速を要望 早期の明確化

ワールド

カタール、国内米軍基地に100億ドル投資へ トラン

ワールド

トランプ氏、新たな戦闘機「F55」開発と「F22」
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:2029年 火星の旅
特集:2029年 火星の旅
2025年5月20日号(5/13発売)

トランプが「2029年の火星に到着」を宣言。アメリカが「赤い惑星」に自給自足型の都市を築く日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 2
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 3
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因は農薬と地下水か?【最新研究】
  • 4
    トランプ「薬価引き下げ」大統領令でも、なぜか製薬…
  • 5
    終始カメラを避ける「謎ムーブ」...24歳年下恋人とメ…
  • 6
    iPhone泥棒から届いた「Apple風SMS」...見抜いた被害…
  • 7
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 8
    サメによる「攻撃」増加の原因は「インフルエンサー…
  • 9
    あなたの下駄箱にも? 「高額転売」されている「一見…
  • 10
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新研究が示す運動との相乗効果
  • 3
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 4
    ゴルフ場の近隣住民に「パーキンソン病」多発...原因…
  • 5
    カヤック中の女性がワニに襲われ死亡...現場動画に映…
  • 6
    母「iPhone買ったの!」→娘が見た「違和感の正体」に…
  • 7
    シャーロット王女の「親指グッ」が話題に...弟ルイ王…
  • 8
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 9
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 10
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 1
    心臓専門医が「絶対に食べない」と断言する「10の食品」とは?...理想は「1825年の食事」
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの…
  • 5
    加齢による「筋肉量の減少」をどう防ぐのか?...最新…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 10
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中