米国の薬物過剰摂取死、24年は27%減 5年ぶり低水準に=CDC

米疾病対策センター(CDC)は14日、米国における薬物過剰摂取による死亡者数が2024年は27%近く減少したことを明らかにした。(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Mariam Sunny
[14日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)は14日、米国における薬物過剰摂取による死亡者数が2024年は27%近く減少したことを明らかにした。減少幅としては過去最大で、19年以来の低水準となった。
CDCの推計によると、米国での24年の薬物過剰摂取による死亡者は約8万0391人と、前年の11万0037人から減少。
専門家らは、麻薬鎮痛剤「オピオイド」の拮抗薬「ナルカン(ナロキソン)」が広く入手できるようになったことが、この減少に大きく貢献したと指摘している。
CDCの推計によると、オピオイド関連の死亡者数は24年は5万4743人と、前年の8万3140人から減少。過剰摂取による死亡者数は23年後半から毎月着実に減少しているという。
フェンタニルを含む合成オピオイドによる死亡者数も前年比約37%減少し4万8422人となった。
フェンタニルは依然として米国のオピオイド危機の中心にあり、過剰摂取死の最大原因となっている。CDCはまた、薬物過剰摂取は依然として18─44歳の米国人の主要な死因だと述べた。
一方、麻薬撲滅活動の関係者の間では、米政権が進める政府予算削減により過剰摂取の死亡者数の減少が逆転し、これまでの成果が水の泡になる恐れがあると懸念の声も広がる。