ニュース速報
ワールド

再送-アングル:米国防総省、ヘグセス長官のずさんな情報管理や側近解任で大混乱

2025年04月22日(火)10時00分

4月21日、米国防総省はヘグセス国防長官(写真右)のずさんな情報管理や側近の解任などを巡り、大混乱に陥っている。16日、ワシントンで撮影(2025年 ロイター/Ken Cedeno)

(脱字を補って再送します)

Phil Stewart

[ワシントン 21日 ロイター] - 米国防総省はヘグセス国防長官のずさんな情報管理や側近の解任などを巡り、大混乱に陥っている。トランプ大統領はまだヘグセス氏を擁護しているが、このままでは安全保障上の重大な問題に対処できなくなるとして野党民主党などからヘグセス氏辞任を求める声も強まってきた。

ヘグセス氏はトランプ氏の意向を受けて国防長官に就任すると、多様性の取り組み廃止を進め、こうした取り組みを支持した制服組の幹部を相次いで解任するなど荒療治を行ってきた。

ただヘグセス氏は、イエメンの親イラン武装組織フーシ派に対する3月の空爆作戦の詳細を通信アプリ「シグナル」のチャットグループで妻や弟らと共有していたと報じられ、厳しい目が向けられている。

ホワイトハウスのレビット報道官は「国防総省(の組織)全体が、画期的な改革とそれを実行しようとしている人物(ヘグセス氏)に反対する働きをしている」と主張し、省内にトランプ政権の政策を妨害する動きがあると示唆した。

トランプ氏も21日、ヘグセス氏について「素晴らしい仕事をしている。彼は多くの悪人を排除するために起用され、今まさにそれに取りかかっている」と記者団に語った。

一方国防総省では最近、別の機密情報漏えいに関わった疑惑で調査を受けていた高官が相次いで解任された。このうち2人はヘグセス氏の上級顧問コードウェル氏と次席補佐官セルニック氏という側近中の側近で、ヘグセス氏は今後職務遂行に支障を来しかねなくなっている。

ある国防総省高官は、制服組幹部の解任や側近の退場で省内は不透明感が漂っていると指摘。そもそもヘグセス氏は安全保障上の政策を明確に発信するよりも、SNS上で自身を支持する保守層に向けて些細な問題を投稿する方を重視していたように見えると批判した。

ヘグセス氏の国防長官指名に関しては、上院による承認が僅差で決まり、多くの議員が同氏の経験不足や性格的な面に懸念を示していたという経緯がある。

身内の共和党内からも、上院軍事委員会のウィッカー委員長がヘグセス氏のシグナル使用について国防総省の独立監査官に調査を要請するなど問題視する動きが出ている。

民主党のスロトキン上院議員は「ヘグセス氏は国防総省を混沌とした場所にしてしまった。彼が同省のことを気にかけているなら、もっと毅然として自分が米軍の使命を妨害していると認識した上で辞めるべきだ」と強調した。

*脱字を補って再送します

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米・イラン、11日に第4回核協議 オマーンで

ワールド

習氏、王公安相を米との貿易協議に派遣=新聞

ビジネス

独首相、EUの共同借り入れ排除せず 欧州の防衛力強

ビジネス

独立したFRBの構造、経済の安定を強化 維持される
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 2
    SNSにはトップレス姿も...ヘイリー・ビーバー、ノーパンツルックで美脚解放も「普段着」「手抜き」と酷評
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    教皇選挙(コンクラーベ)で注目...「漁師の指輪」と…
  • 5
    恥ずかしい失敗...「とんでもない服の着方」で外出し…
  • 6
    骨は本物かニセモノか?...探検家コロンブスの「遺骨…
  • 7
    「金ぴか時代」の王を目指すトランプの下、ホワイト…
  • 8
    ロシア機「Su-30」が一瞬で塵に...海上ドローンで戦…
  • 9
    ついに発見! シルクロードを結んだ「天空の都市」..…
  • 10
    中高年になったら2種類の趣味を持っておこう...経営…
  • 1
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 2
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つの指針」とは?
  • 3
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得る? JAXA宇宙研・藤本正樹所長にとことん聞いてみた
  • 4
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 5
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
  • 6
    5月の満月が「フラワームーン」と呼ばれる理由とは?
  • 7
    古代の遺跡で「動物と一緒に埋葬」された人骨を発見.…
  • 8
    シャーロット王女とスペイン・レオノール王女は「どち…
  • 9
    野球ボールより大きい...中国の病院を訪れた女性、「…
  • 10
    日々、「幸せを実感する」生活は、実はこんなに簡単…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 6
    健康は「何を食べないか」次第...寿命を延ばす「5つ…
  • 7
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 10
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中