ニュース速報
ワールド

今年のユーロ圏成長率、欧州委は2月の予想維持 物価は下方修正

2024年05月15日(水)19時28分

欧州連合(EU)欧州委員会は15日発表した今年のユーロ圏の経済見通しで、0.8%とした2月の予測を据え置く一方で、インフレ予想を下方修正した。ブリュッセルの本部で昨年3月撮影。(2024年 ロイター/Johanna Geron/File Photo)

Jan Strupczewski

[ブリュッセル 15日 ロイター] - 欧州連合(EU)欧州委員会は15日発表した今年のユーロ圏の経済見通しで、0.8%とした2月の予測を据え置く一方で、インフレ予想を下方修正した。

成長率は昨年11月時点では1.2%と予想していた。最新の予測は日本と同水準で英国の0.5%を上回るが、米国の2.4%をかなり下回る。

欧州委はウクライナ戦争と中東紛争により不確実性と下振れリスクがここ数カ月でさらに高まったと警告した。

ユーロ圏の景気低迷はドイツの不振が主因。同国の2024年の成長率は0.1%、25年は1.0%と見込まれている。11月時点では24年が0.8%、25年は1.2%だった。

フランスは24年が0.7%、25年は1.3%。11月はそれぞれ1.2%と1.4%だった。

来年のユーロ圏の成長率は1.4%に加速する見込みだが、11月時点の1.6%、2月の1.5%を下回る。

消費者物価指数の上昇率は昨年の5.4%から今年は2.5%へ、来年は2.1%へ減速すると予想した。2月時点では今年のインフレ率を2.7%、11月時点では3.2%としていた。

ただインフレの鈍化ペースは不確実性が伴うと指摘。「インフレ率の低下は予想よりも緩やかになる可能性があり、サービスインフレの低下が確実になるまで欧州中央銀行(ECB)は利下げを先送りする可能性がある」との見方を示した。

「さらに一部の加盟国は25年予算で追加の財政再建策を採用する可能性がある。これは現時点では予測に反映されておらず、来年の経済成長に影響を与える可能性がある」とした。

ユーロ圏の今年の財政健全化は11月に予想したほどは進まず、24年の公的債務の対域内総生産(GDP)比は前年と同じ90.0%にとどまるとの見通しを示した。

24年のユーロ圏全体の財政赤字の対GDP比は3.0%、25年は2.8%と予想した。11月時点では24年に2.8%へ低下すると見込んでいた。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ECB、今後は慎重に利下げを判断へ=独連銀総裁

ワールド

米韓核戦略会合、北朝鮮対応巡り指針検討

ワールド

欧州議会選、スペインは中道派が極右抑える 首相の地

ビジネス

ECB追加利下げ、夏季終了後には検討可能=スロバキ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナの日本人
特集:ウクライナの日本人
2024年6月11日号(6/ 4発売)

義勇兵、ボランティア、長期の在住者......。銃弾が飛び交う異国に彼らが滞在し続ける理由

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...? 史上最強の抗酸化物質を多く含むあの魚

  • 2

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっかり」でウクライナのドローン突撃を許し大爆発する映像

  • 3

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らかに ヒト以外で確認されたのは初めて

  • 4

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 5

    フランス人記者が見た日本の「離婚後共同親権」が危…

  • 6

    公園で子供を遊ばせていた母親が「危険すぎる瞬間」…

  • 7

    ガスマスクを股間にくくり付けた悪役...常軌を逸した…

  • 8

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕…

  • 9

    ロシア軍が「警戒を弱める」タイミングを狙い撃ち...…

  • 10

    メディアで「大胆すぎる」ショットを披露した米大物…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が34歳の誕生日を愛娘と祝う...公式写真が話題に

  • 3

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しすぎる...オフィシャル写真初公開

  • 4

    我先にと逃げ出す兵士たち...ブラッドレー歩兵戦闘車…

  • 5

    認知症の予防や脳の老化防止に効果的な食材は何か...…

  • 6

    カラスは「数を声に出して数えられる」ことが明らか…

  • 7

    「サルミアッキ」猫の秘密...遺伝子変異が生んだ新た…

  • 8

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「…

  • 9

    アメリカで話題、意識高い系へのカウンター「贅沢品…

  • 10

    堅い「甲羅」がご自慢のロシア亀戦車...兵士の「うっ…

  • 1

    ラスベガスで目撃された「宇宙人」の正体とは? 驚愕の映像が話題に

  • 2

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 3

    ウクライナ水上ドローンが、ヘリからの機銃掃射を「回避」してロシア黒海艦隊に突撃する緊迫の瞬間

  • 4

    「世界最年少の王妃」ブータンのジェツン・ペマ王妃が…

  • 5

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々…

  • 6

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃の「マタニティ姿」が美しす…

  • 7

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 8

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 9

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 10

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中