ニュース速報

ワールド

米加州の住宅損保大手、新規契約を停止 災害リスク拡大など受け

2023年05月31日(水)18時08分

 米カリフォルニア州で住宅損害保険を提供しているステート・ファーム・ゼネラル・インシュアランスは、住宅保有者への新規保険契約を停止すると発表した。写真は同州フォレストヒルで2022年9月撮影(2023年 ロイター/Fred Greaves)

[30日 ロイター] - 米カリフォルニア州で住宅損害保険を提供しているステート・ファーム・ゼネラル・インシュアランスは、住宅保有者への新規保険契約を停止すると発表した。山火事の多い同州では、保険料の高騰や加入が困難になるなどの事態になっている。

インフレ率を上回る建設費の上昇、災害リスクの急速な拡大、厳しい再保険市場が要因としている。

保険会社は、保険支払い能力改善へ対応が急務となっている。保障を失った所有者は、カリフォルニア州法に基づき設立された高リスクの民間運営保険プールプランから保険購入が可能となる。

再保険会社は1月以降、主要分野の保険料率を最大200%引き上げている。ウクライナ戦争やフロリダのハリケーン「イアン」などの自然災害が損失急増の要因と説明している

さらに、大災害による世界の損害填補額は、第1・四半期だけで少なくとも150億ドルに達すると予想されるとのブローカーによる報告もでている。

ステート・ファームは5月27日から州内での新規契約を停止すると発表、自動車保険には影響しないという。

カリフォルニア州では、4月下旬に100エーカーを超える大規模な火災が発生した。専門家が、冬季の雨量が多かったため草や低木が育ち、夏には乾燥して山火事の可能性が高くなると警告している。

保健情報機関によると、2022年の元受正味保険料に基づくカリフォルニア州の住宅所有者向け保険の最大のプロバイダーはステート・ファーム。

カリフォルニア州のデータによると、州内での保険会社による住宅保険の更新不可は、2021年は前年比約30%増の24万1662件に達した。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ

ニュース速報

ワールド

ロシア追加動員計画せず、国防相「今年33.5万人が

ビジネス

英中銀、保険会社への新たなストレステストを25年に

ワールド

ノーベル物理学賞にアゴスティーニ氏ら3氏、「アト秒

ビジネス

世銀、スリランカの成長率予想を上方修正 24年は+

MAGAZINE

特集:2023年の大谷翔平

特集:2023年の大谷翔平

2023年10月10日/2023年10月17日号(10/ 3発売)

WBCは劇的優勝、ケガで無念の離脱、そして日本人初本塁打王へ。激動の大谷イヤーを現地発の記事と写真で振り返る

メールマガジンのご登録はこちらから。

人気ランキング

  • 1

    【独自】祝ホームラン王!「最強の戦友」マイク・トラウトに聞く、大谷翔平の素顔

  • 2

    メドベージェフが発した核より現実的で恐しい戦線拡大の脅し

  • 3

    複数のドローンがロシア西部「ミサイル工場」を攻撃、その閃光と爆音を捉えた映像

  • 4

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗…

  • 5

    ウクライナ軍の捕虜になったロシア軍少佐...取り調べ…

  • 6

    新型コロナ「万能ワクチン」が開発される 将来の変…

  • 7

    ロシア軍スホーイ戦闘機など4機ほぼ同時に「撃墜」され…

  • 8

    台湾初「国産潜水艦」がついに進水...中国への抑止力…

  • 9

    本物のプーチンなら「あり得ない」仕草......ビデオ…

  • 10

    「普通の男子高校生の方がうまい」 大学アメフトの試…

  • 1

    黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があったのか

  • 2

    【独自】祝ホームラン王!「最強の戦友」マイク・トラウトに聞く、大谷翔平の素顔

  • 3

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗組員全員死亡説も

  • 4

    ウクライナ軍の捕虜になったロシア軍少佐...取り調べ…

  • 5

    本物のプーチンなら「あり得ない」仕草......ビデオ…

  • 6

    エリザベス女王も大絶賛した、キャサリン妃の「美髪…

  • 7

    ワグネル傭兵が搭乗か? マリの空港で大型輸送機が…

  • 8

    NATO加盟を断念すれば領土はウクライナに返す──ロシ…

  • 9

    ロシア黒海艦隊、ウクライナ無人艇の攻撃で相次ぐ被…

  • 10

    ロシア軍スホーイ戦闘機など4機ほぼ同時に「撃墜」され…

  • 1

    黒海艦隊「提督」の軽過ぎた「戦死」の裏に何があったのか

  • 2

    イーロン・マスクからスターリンクを買収することに決めました(パックン)

  • 3

    中国の原子力潜水艦が台湾海峡で「重大事故」? 乗組員全員死亡説も

  • 4

    【独自】祝ホームラン王!「最強の戦友」マイク・ト…

  • 5

    コンプライアンス専門家が読み解く、ジャニーズ事務…

  • 6

    「児童ポルノだ」「未成年なのに」 韓国の大人気女性…

  • 7

    <動画>ウクライナのために戦うアメリカ人志願兵部…

  • 8

    「これが現代の戦争だ」 数千ドルのドローンが、ロシ…

  • 9

    「この国の恥だ!」 インドで暴徒が女性を裸にし、街…

  • 10

    ウクライナ軍の捕虜になったロシア軍少佐...取り調べ…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中