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中国、上海でも5年ぶり人口減少 コロナ封鎖など影響

3月29日、中国・上海市の統計局が28日公表した統計によると、2022年に同市の人口が5年ぶりに減少した。写真は上海で昨年3月撮影(2023年 ロイター/Aly Song)
[香港 29日 ロイター] - 中国・上海市の統計局が28日公表した統計によると、2022年に同市の人口が5年ぶりに減少した。新型コロナウイルス感染抑制に向け厳しいロックダウン(都市封鎖)が行われ、25万人以上の出稼ぎ労働者が流出した。
昨年の人口は2476万人と、21年の2489万人から減少。北京でも03年以来初めて減ったほか、全土でも昨年は60年ぶりに減少した。大都市周辺の生活費高騰や弱い経済成長、家族形成に対する考えの変化などが背景とみられている。
調査によると、上海市民の約6割が子どもの数は1人、または持たないことを望むと回答。28%余りが養育費の高さを理由に新たに子どもを持たない予定だと答えた。
上海の出生率は1000人に対して4.4人と、前年の4.7人から低下。一方、死亡率は急速な高齢化で5.6人から6.0人に上昇した。
中国全土の出生率は6.77人で過去最低となった。
上海の人口に占める65歳以上の割合は18.7%、全土平均の14.9%を上回っている。
上海では多くの女性が封鎖中となった昨年4─5月に妊娠を見送り、人口学者らはこれが出産願望を深刻に阻害した可能性があるとみている。
政府顧問らは出生率上昇に向け20以上の項目を勧告したが、専門家らは人口減少ペースを抑制するぐらいしかできないとみている。