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バノン氏、米下院情報委からの召喚拒否 ロシア疑惑巡る調査で

2018年01月17日(水)15時00分

 1月16日、トランプ米大統領の元側近のスティーブ・バノン氏は、ロシアによる2016年の米大統領選介入疑惑について下院情報特別委員会で証言した。ワシントンで撮影(2018年 ロイター/Joshua Roberts)

[ワシントン 16日 ロイター] - トランプ米大統領の元側近のスティーブ・バノン氏は16日、ロシアによる2016年の米大統領選介入疑惑について下院情報特別委員会で証言した。

同委員会の民主党トップ、アダム・シフ議員によると、バノン氏はホワイトハウス勤務時代に関する質問への回答を拒否したほか、政権を去った後に大統領と交わした会話についても言及しなかった。

同委員会のデビン・ニューネス委員長(共和党)はバノン氏に回答を迫るため、その場で同氏の召喚を承認した。

シフ議員によると、その後、バノン氏は質問への回答をあらためて拒否。これに先立ち、バノン氏の弁護士はホワイトハウスと協議し、バノン氏は政権移行期間やホワイトハウス勤務時代に関する質問に答えないよう指示を受けたという。

バノン氏はトランプ政権で大統領首席戦略官と上級顧問を務めていた。

ホワイトハウスのサンダース報道官は、ホワイトハウスがバノン氏に特定の質問について答えないよう指示したかとの質問に対し「ホワイトハウスに関係するあらゆる議会活動がそうであるように、議会は機密情報を入手する前にホワイトハウスと協議する必要がある」と発言。「われわれは継続中の調査に完全に協力しており、議会委員会には正当な関心のために必要な情報が得られるよう政府と協力することを勧める」と語った。

これとは別に、米ニューヨーク・タイムズ(NYT)紙は16日、関係筋の話として、米大統領選へのロシア介入疑惑の捜査で、バノン氏が大陪審での証言のため、モラー連邦特別検察官から召喚されていると伝えた。

モラー氏がトランプ政権の中枢メンバーだった人物を召喚したのが明らかになるのは今回が初めて。

特別検察官事務所の報道官はコメントを控えた。バノン氏の弁護士からのコメントは得られていない。

バノン氏は、大統領選挙キャンペーン中から政権移行期間およびトランプ氏の大統領就任後の最初の数週間にわたってトランプ氏の最側近の1人だった。

しかし、トランプ政権の暴露本「炎と怒り」の中で、トランプ氏の長男ジュニア氏が大統領選中にロシア人弁護士と接触したことを「反逆的」、「非愛国的」と批判するバノン氏の発言が引用され、両者の関係は悪化した。

NYTによると、召喚状は先週発行された。モラー氏は召喚状を用いて捜査に全面的に協力するようバノン氏に圧力をかける戦略とみられるという。

シカゴの弁護士で元連邦検察官のレナート・マリオッティ氏は、バノン氏召喚の理由について「弁護士を伴って比較的リラックスした環境下では、大陪審室で弁護士を伴わず、より厳しいスタイルで尋問された場合と同じ証言が得られないと(モラー氏は)考えたのではないか」との見方を示した。

大陪審での証言の際、証人は室内に弁護士を伴うことを認められていない。

バノン氏の召喚は、同氏がモラー氏の犯罪捜査の対象であることを意味するわけではない。

*内容を更新しました。

ロイター
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