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アングル:高まる非核三原則見直し論、米軍の核持ち込みで抑止維持

2017年09月06日(水)19時19分

 9月6日、北朝鮮の核保有が現実味を帯びる中、日本で非核三原則の見直し論がにわかに高まってきた。横田基地で2013年4月撮影(2017年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 6日 ロイター] - 北朝鮮の核保有が現実味を帯びる中、日本で非核三原則の見直し論がにわかに高まってきた。日本が自前で持たないまでも、米軍の核を持ち込み、抑止力を高めるべきというものだ。政府は議論の必要はないとするが、安全保障政策に携わる関係者からは「そろそろ三原則は二原則にするべきだ」との声が出ている。

石破茂元防衛相は6日の報道番組で「米国の核で守ってもらうと言いながら、日本国内に置かないというのは、議論として本当に正しいのか」などと発言。被爆国の日本が1960年代末から堅持してきた「持たず、作らず、持ち込ませず」の非核三原則の見直し議論を提起した。

これに対し、菅義偉官房長官は同日午後の会見で反論。日本は「(非核三原則を)政策の方針として堅持している」と述べた。

しかし、三原則を見直すべきとの声は他の国会議員からも出ており、日本維新の会の足立康史衆院議員は、5日の衆院閉会中審査で「必要性があるなら、非核三原則の見直し議論が出るのはあり得る」などと発言している。

背景にあるのは、北朝鮮の核・ミサイル技術の急速な進展と、それに伴い米国の核抑止力への信頼が低下する可能性だ。

北朝鮮が米国本土まで届く弾道ミサイルと核弾頭を手にすれば、日本が北朝鮮から攻撃を受けた場合でも、米国は自国への報復を恐れて反撃をしない可能性が出てくる。「米国の拡大抑止は効かなくなる」と、拓殖大学・海外事情研究所所長の川上高司教授は言う。

日本は北朝鮮の弾道ミサイルに対する防御力を高めようと、陸上配備型の新たな迎撃ミサイルシステムを導入しようとしている。弾道ミサイルの発射台を叩く敵基地攻撃能力の保有議論もくすぶっている。だが、いずれも実現までには数年かかる。

日本は短期間で核武装が可能とみられているが、自国で核を作るとアジア各国に核ドミノを起こす恐れがある。NPT(核不拡散条約)体制を壊し、米国との同盟関係が傷つくなど、デメリットも大きい。

日本の安全保障政策に携わる関係者の1人は、非核三原則を見直し、核兵器を搭載した米軍の原子力潜水艦を日本に配備すれば済むと指摘する。「そろそろ非核三原則は二原則にするべきだ」と、同関係者は話す。

非核三原則は法律で規定されてはいないものの、実際に見直すとなると国民的な議論が必要になる。菅官房長官は、同じ会見の中で「政府としては、これまでも見直しの議論をしてきておらず、これからも議論することは考えていない」とした。

拓殖大学の川上教授は「今このタイミングで議論が出てきたのは良かったと思う」と指摘。「日本がこれを言い出すと、米国と中国の尻に火がつく。特に中国に北朝鮮問題を本気で取り組ませるための特効薬になる」と話す。

(久保信博、ティム・ケリー、石田仁志 編集:田巻一彦)

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