ニュース速報

ワールド

世界の原子力発電能力が急拡大、設備老朽化など課題も=IEA

2016年06月29日(水)14時47分

 6月28日、国際エネルギー機関のビロル事務局長は、2015年の世界の原子力発電能力は中国を中心に急拡大したが、発電所の老朽化や低水準の電気料金などがセクターを圧迫する可能性があると指摘した。写真は同事務局長。昨年12月、フランス・ル・ブールジェCOP21会議で撮影(2016年 ロイター/Stephane Mahe)

[パリ 28日 ロイター] - 国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長は28日、2015年の世界の原子力発電能力は中国を中心に急拡大したが、発電所の老朽化や低水準の電気料金などの課題がセクターを圧迫する可能性があると指摘した。

同氏によると、15年の原子力発電能力は10.2ギガワット増加し、伸び率は25年ぶりの高水準となった。

同氏は、パリでの原子力関連会議で「これほどの伸びは目にしたことがない。主に中国がけん引した」と述べ、韓国やロシア、インドの伸びも好調だったと加えた。

その上で、原子力発電セクターはいくつかの課題になお直面していると指摘。各国政府は、パリ協定で合意した、地球温暖化に歯止めを掛ける国連の目標を達成するため、これらの課題に取り組む必要があると語った。

約200カ国・地域は昨年12月、国連の気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で、温室効果ガスの排出量を削減し、世界の気温上昇を2度未満に抑えることで合意した。

ビロル氏は、主に石炭などを燃料とした電力生産が排出ガスの約40%を占めると指摘。

気温上昇2度未満の目標を達成するためには、原子力発電の比率を現在の11%から2040年までに20%付近に引き上げる必要があるとし、環境団体などから汚染リスクを踏まえ反対があるものの、同エネルギーは二酸化炭素を排出しないと語った。

*写真を追加して再送します

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

為替、基調的物価に無視できない影響なら政策の判断材

ビジネス

訂正野村HD、1―3月期純利益は前年比7.7倍 全

ビジネス

村田製の今期4割の営業増益予想、電池事業で前年に5

ビジネス

米資産運用会社の銀行投資巡る監督強化案、当局が採決
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中