アルファベット、投資額引き上げ クラウド・広告好調で業績予想超え
米グーグルの持ち株会社アルファベットが29日発表した第3・四半期決算は、売上高が16%増の1023億5000万ドルと、市場予想の998億9000万ドルを上回った。2024年2月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[29日 ロイター] - 米グーグルの持ち株会社アルファベットが29日発表した第3・四半期決算は、売上高が前年比16%増の1023億5000万ドルと、市場予想の998億9000万ドルを上回った。主力の広告事業とクラウドコンピューティング事業がともに安定的な成長を見せた。
人工知能(AI)開発を巡りバブル懸念の声が聞かれる中でも、今年の設備投資額を910億─930億ドルに引き上げた。昨年実績は525億ドル。今年は2月に750億ドルと表明し、その後7月に850億ドルに増額したが、今回さらに引き上げた。
第3・四半期の調整後1株利益は3.10ドルで、予想の2.26ドルを上回った。アルファベットの株価は引け後の時間外取引で約6%上昇した。
企業によるAIインフラ需要の急増を背景に、クラウドサービス「グーグルクラウド」の売上高は34%増151億6000万ドルで、予想の147億2000万ドルを上回った。スンダー・ピチャイ最高経営責任者(CEO)によると、まだ計上されていない契約残高が7月時点の1060億ドルから1550億ドルに増加したという。
一方、広告事業の売上高も12.6%増の741億8000万ドルと、予想の717億9000万ドルを大きく上回った。一部投資家の懸念を払拭し、デジタル広告市場が経済の不確実性と激しい競争に直面しながらも堅調さを維持していることを示した。
ノースウェスタン・ミューチュアル・ウェルス・マネジメントのチーフポートフォリオマネジャー、マット・スタッキー氏は「検索が引き続き好調なため、AIがグーグルの主力事業に悪影響を与えるのではないかという懸念を払拭するのに役立っている」と述べた。
ただアナリストは、関税コストや急速に進化する世界的な貿易環境からの圧力を受けて経済の不確実性に対処している一部セクターの広告主が支出に慎重になっているとも指摘する。
米オープンAIが先週、AI搭載ブラウザー「チャットGPTアトラス」をリリースするなど、新興AI企業がグーグルの検索エンジンに対抗する動きも見られるが、グーグルの検索市場におけるシェアは安定しており、ハーグリーブス・ランズダウンのシニアエクイティアナリスト、マット・ブリッツマン氏は「(グーグル検索の)AIモードなどは明らかにユーザーに評価されており、グーグルの中核事業である検索事業が生成AIの脅威にさらされているという懸念を和らげている」と述べた。





