ロシア軍、ドネツク州要衝ポクロフスクに迫る=ウクライナ軍当局
10月29日、 ロシア軍が侵攻したウクライナの東部ドネツク州の要衝ポクロフスクに迫り、ウクライナ軍が侵攻を食い止めるのに苦戦していると軍当局者とオープンソース分析筋が明らかにした。写真は4月、ドネツク州の前線で攻撃を行うウクライナ兵(2025年 ロイター/Anatolii Stepanov)
Dan Peleschuk
[キーウ 29日 ロイター] - ロシア軍が侵攻したウクライナの東部ドネツク州の要衝ポクロフスクに迫り、ウクライナ軍が侵攻を食い止めるのに苦戦していると軍当局者とオープンソース分析筋が29日明らかにした。一方でウクライナ政府は、この侵攻がロシア軍に甚大な犠牲をもたらしていると主張している。
ウクライナ軍の第7軍団の声明によると、ロシア軍は約1万1000人の兵士を投入し、ポクロフスク地域を包囲しようとしている。さらにポクロフスク市内へ既に潜入した部隊は北や北西への進撃を目指していると説明した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は29日夜の動画演説で、全長1250キロ(775マイル)の前線の中でポクロフスク周辺は「最も困難な」状態になっていると指摘。その上で「この数週間にこの地域は戦闘行動が最も激しく、ロシア軍の兵力が密集している」と語った。
一方、東部ハリコフ州クピャンスク周辺の状況は「依然として困難だが、わが国の軍の支配力はこの数日間に増している。陣地を守り続けている」と説明した。
ウクライナのオープンソース分析筋「ディープステート」は29日、ロシア軍が歩兵による待ち伏せ攻撃とドローン(無人機)の攻撃によって、ポクロフスクに隣接するミルノグラード市への軍事補給路を断ち切ったと発表した。ロシア軍のポクロフスクへの進軍を阻止するためには、ウクライナ軍は小規模部隊ではなく旅団規模の部隊を投入する必要があるとして、「ポクロフスクの状況は危機的状況の瀬戸際にあり、全てを修復するには手遅れとなるほど悪化の一途をたどっている」と警告した。その後、ロシア軍の小規模部隊がポクロフスクと近隣村落への進軍を試みていると報告し、悪天候を利用してウクライナ軍の防衛網の間隙を縫ったとした。
ロシアのプーチン大統領は29日、ポクロフスクとクピャンスクでウクライナ軍を包囲したと訴えた。
一方、ウクライナ軍はクピャンスクについてのロシア軍の主張を「空想だ」と否定。ポクロフスクも包囲されておらず、軍事補給路は維持されていると反論した。
ロイターは双方の戦況報告の正確性を独自には確認できなかった。





