中国・習近平時代は一体いつまで続くのか?
China’s Xi Era
中国4中全会で見えた「習近平時代」の行方 REUTERS
<軍幹部9人を粛清し開幕した4中全会で絶大な権力を内外に示した最高権力者の歩む道>
▼目次
台湾有事を利用する?
残るは衰退の道のみか
1億人を超える中国共産党の党員のうち、中央委員約200人と候補委員が集まる全体会議が10月20日に始まり、23日に終わった。党創立から数えて第20期で4回目の全体会議(4中全会)だ。
これに先立ち、中国ウォッチャーの間では、習近平(シー・チンピン)党総書記(国家主席)が4中全会で失脚するのではといった臆測がまことしやかに流れていた。だが、こうした予測は大外れだった。来年から始まる第15次5カ年計画の説明が延々と続き、採択されたこと以外、これといったドラマのない4日間だった。
それでも疑問はある。いったい習はいつまで権力を握り続けるのか。そのもっともらしい(しかし不快な)答えは、「非常に長い間、ひょっとすると10年以上」というものだ。その理由を考えてみよう。
4中全会が開幕する3日前の10月17日、中国軍の幹部9人の粛清が発表された。全員が最高位の上将だったが、重大な汚職と党の規律に反する行為が明らかになったとして、党籍を剝奪され、近く起訴されることも明らかになった。
政治も社会も「党の指導」が絶対とされる中国では、軍も党中央軍事委員会の指導下にある。トップを務めるのは習だ。今回処分されたなかには、何衛東(ホー・ウエイトン)・同委副主席や、6月に中央軍事委の委員を解任された苗華(ミアオ・ホア)が含まれていた。
それは重要な会議を前に、党内外に「衝撃と畏怖」を呼び起こす絶妙なタイミングでの発表だった。すぐに国営メディアが簡潔だが強烈な追認記事を出し、習の去就をめぐる噂を吹き飛ばし、4中全会で明白な(しかし暗黙の)メッセージを示すのに十分な環境をつくり出した。すなわち、習が2037年まであと2期、トップの座に居座ることだ。
習が12年に党総書記に就任してからの言動を振り返ると、彼がこの「習近平時代」をどのようにするつもりなのかが見えてくる。最初の明確なサインは、17年に発表された「新時代の中国の特色ある社会主義思想」だった。
それによると、中国は改革開放以降の成長一辺倒の段階から、質の高い発展の段階へと移行し、35年までに一連の野心的な国家目標を達成する。その重要な骨格を成すのが、3つの5カ年計画と、国家統一(すなわち台湾侵攻)だ。







