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仏トタルや独シーメンス、EUに企業持続可能性規則の撤廃要請

2025年10月10日(金)12時02分

 仏トタルエナジーと独シーメンスは欧州企業46社を代表し、欧州連合(EU)が看板政策とする企業持続可能性規制の1つを撤廃するよう要請する書簡を6日付で仏独首脳に送った。トタルエナジーのロゴの資料写真(2025年 ロイター/Stephane Mahe)

Kate Abnett Virginia Furness

[ロンドン 9日 ロイター] - 仏トタルエナジーと独シーメンスは欧州企業46社を代表し、欧州連合(EU)が看板政策とする企業持続可能性規制の1つを撤廃するよう要請する書簡を6日付で仏独首脳に送った。ロイターが書簡を確認した。

マクロン仏首相とメルツ独首相に宛てたこの書簡は、規則を廃止すれば「政府と欧州委員会が欧州の競争力回復に真剣に取り組んでいることを、欧州企業および国際企業に示す明確かつ象徴的なメッセージになる」と訴えている。

EUは昨年、「企業サステナビリティー・デューデリジェンス指令(CSDDD)」を採択。企業に対し、サプライチェーン(供給網)における人権および環境問題を解決しなければ、世界売上高の5%に相当する罰金を科すとした。

これは欧州のグリーン政策の中で最も政治的な意見対立を生み、ドイツ、フランスだけでなく米国やカタール、米エクソンモービルなどの企業が反発。EUは現在、欧州企業向けの規則の簡素化を交渉中だ。

EUと加盟各国が規則の縮小や適用除外措置について交渉しているのに対し、シーメンスとトタルは規則の完全廃止を求めており、さらに踏み込んだ内容となっている。

シーメンスは「欧州が世界的競争力をつけるには、あらゆるセクターで過剰規制から決然と転換する必要がある」と表明した。トタルはコメント要請に即座に答えなかった。

ロイター
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