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ノボノルディスク、米バイオ企業アケロを最大52億ドルで買収へ

2025年10月10日(金)10時03分

10月9日、デンマーク製薬大手ノボノルディスクは米バイオテクノロジー会社アケロ・セラピューティクスを最大52億ドルで買収すると発表した。写真はノボノルディスクのロゴ。8月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Maggie Fick Mariam Sunny

[9日 ロイター] - デンマーク製薬大手ノボノルディスクは9日、米バイオテクノロジー会社アケロ・セラピューティクスを最大52億ドルで買収すると発表した。有望な肝臓疾患治療薬候補を入手する。

ノボノルディスクはアケロ株1株当たり54ドル、総額約47億ドルの前払い金を支払う。これは直近終値に16.2%上乗せした水準。また2031年6月までに米国で完全承認を取得した場合、1株当たり6ドルを追加で支払う。

7月に最高経営責任者(CEO)に就任したマイク・ドゥスター氏は他の領域への拡大ではなく、代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH)などの関連心代謝疾患も治療可能な、効果の高い肥満・糖尿病向けの新薬に力を入れる方針を示している。

アケロが開発するエフルキシフェルミンは現在、MASH治療薬として後期臨床試験段階にある。

BMOキャピタル・マーケッツのアナリスト、エバン・シーガーマン氏は、ノボノルディスクの最近の内部再編に加えて今回の買収を、ドゥ―スター氏による経営を軌道修正する取り組みの一環として前向きに評価していると述べた。

エフルキシフェルミンはこれまでの研究でMASH患者の肝硬変を回復に向かわせる可能性を示唆している。

ドゥ―スター氏は、特に大ヒット薬の肥満症薬「ウゴービ」の有効成分セマグルチドの独占権を来年からインドや中国などで失うことに備える中、同薬を将来の成長に向けた「重要な構成要素」だと位置付けた。

ノボノルディスクは買収資金を借入金で調達する計画で、買収手続きは年内に完了する見込みだ。

ロイター
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