AI導入企業、大半が初期損失発生 最終効果は楽観視=EY

10月8日、コンサルティング会社EYが公表した調査結果によると、人工知能(AI)を導入したほぼ全ての大企業は、AI導入に伴い初期の損失が発生した。写真はAIのイメージ。2023年6月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
[アムステルダム 8日 ロイター] - コンサルティング会社EYが8日公表した調査結果によると、人工知能(AI)を導入したほぼ全ての大企業は、AI導入に伴い初期の損失が発生した。損失の原因としてはコンプライアンス違反、問題のある出力結果、バイアス、持続可能性目標達成の妨害などが多かった。
評判の悪化や法的問題も、それほど多くはなかったが損失の原因として挙げられた。
EYは年間売上高が10億ドルを超える世界の企業のAI担当幹部975人を対象に今年7月から8月にかけて調査を実施した。
AIの導入に伴う損失額は合計で44億ドルと推計される。損失を受けた項目は売上高の伸び、コスト削減、従業員の満足度などだった。それでも調査対象企業は依然、AIの導入が最終的には大きな恩恵をもたらすと楽観視している。
EYのグローバル最高イノベーション責任者、ジョー・デパ氏はロイターへの電子メールで「AIは間違いなく効率性と生産性を改善している」と指摘。「だが、こうした恩恵は必ずしもコスト削減や短期的な売上高の増加にはつながらず、より多くの仕事の遂行に再投資されているため、AI導入の評価は遅れている」と説明した。
EYによると、「責任のあるAI」を導入する方針を完全に策定した企業は、売上高やコスト削減、従業員の満足度の点で好成績を上げたという。