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イタリア、今年はEU財政赤字ルールを6年ぶり順守へ=予算案

2025年10月03日(金)13時44分

 10月2日、イタリア政府は承認した2026年予算案で、25年の財政赤字見通しを従来の国内総生産(GDP)対比3.3%から3.0%へ引き下げた。写真は2020年3月、ミラノで撮影(2025年 ロイター/Flavio Lo Scalzo)

Giuseppe Fonte Gavin Jones

[ローマ 2日 ロイター] - イタリア政府は2日承認した2026年予算案で、25年の財政赤字見通しを従来の国内総生産(GDP)対比3.3%から3.0%へ引き下げた。欧州連合(EU)の財政規則で定められている上限3.0%を、新型コロナウイルス禍前の2019年以来、6年ぶりに順守できる見通しだ。

26年の財政赤字見通しはGDP対比2.8%とし、今年4月に示した目標を据え置いた。

イタリアは現在、EUの財政赤字是正手続きの対象国となっている。同国が示した財政改善見通しにEUが納得すれば、26年半ばまでに対象から外れることになる。

ユーロ圏20カ国のうち12カ国は、昨年時点で財政赤字比率が3.0%を下回っている。残る8カ国のうち、イタリアはフランスの5.8%に次いで2番目に赤字比率が高い。昨年のイタリアの財政赤字比率は3.4%だったが、政府目標の3.8%以内には収まった。

財政状況の改善は、雇用の伸びなどを背景に税収が予想を上回ったことと、債務返済コストの減少が主因。米国の貿易関税によって成長見通しが悪化する中でも、財政赤字は縮小が見込まれている。

政府は25年の成長率見通しを4月時点の0.6%から0.5%に、26年は0.8%から0.7%にそれぞれ下方修正した。

一方、予算案では防衛支出が26年にGDP対比で0.15%となり、27年に0.3%、28年に0.5%へ上昇するとの見通しを示した。ただ、これはEUが財政赤字是正手続きを解除した場合だとしている。

ロイター
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