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NY外為市場=ドル上昇、FRBの慎重姿勢で広範に買い戻し

2025年09月19日(金)06時43分

9月18日、終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して上昇した。5月撮影のイメージ写真(2025年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

[ニューヨーク 18日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して上昇した。17日まで開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が予想通り利下げを実施したものの、今後の追加利下げに慎重な姿勢を示したことで、ドルは広範囲で買い戻された。米労働省が18日発表した9月13日までの1週間の新規失業保険申請件数(季節調整済み)が前週から減少したことも、ドルの支援材料となった。

スコシアバンクのFXストラテジスト、エリック・セオレ氏は「市場はFRBの明確なハト派姿勢を期待していたが、パウエル議長の発言はそれに届かなかった。市場のバランスが一方向に傾いていたため、ドルがさらに下落するには大きな材料が必要だった」と述べた。

FRBは16─17日に開いたFOMCで、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を0.25%ポイント引き下げ、4.00─4.25%とすると決定した。パウエル議長は、決定の焦点は労働市場へのリスクだったとし、急いで行動する必要はないとの認識を示した。

ドル指数は、利下げ発表直後に2022年2月以来の安値となる96.224まで下落したが、18日には0.4%の97.347となった。

英ポンドは、イングランド銀行(英中央銀行)が政策金利を据え置き、量的引き締め(QT)ペースを緩めたことで一時上昇したが、その後反落。対ドルで0.6%安の1.35515ドルとなった。マクロ・ハイブのベンジャミン・フォード氏は「市場はポンドに対して過度に弱気だ」と指摘した。

ユーロは0.2%安の1.17893ドル。前日のFRBの発表後には2021年6月以来の高値となる1.19185ドルまで上昇していた。

一方、円は日銀の金融政策決定会合を控え、対ドルで0.6%安の147.88円まで下落した。市場では、日銀が今回の会合では利上げを見送るとの見方が強いが、来年3月末までに0.25ポイントの利上げが行われると予想されているほか、年内の実施確率は約50%とされている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.9%高の11万7837ドルで推移している。

ドル/円 NY終値 147.99/148.01

始値 147.24

高値 148.26

安値 147.22

ユーロ/ドル NY終値 1.1786/1.1789

始値 1.1836

高値 1.1837

安値 1.1751

ロイター
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