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「金利低すぎ、インフレ心配」、日銀利上げに期待感=行天元財務官

2025年09月12日(金)17時22分

 財務官を1986年から務めた三菱UFJ銀行名誉顧問の行天豊雄氏がロイターのインタビューに応じ、現下の為替相場について「金利が低すぎて円安になっているという事実は否定できない。放っておいてインフレにならないかという心配はあると思う」と述べた。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

Tamiyuki Kihara

[東京 12日 ロイター] - 財務官を1986年から務めた三菱UFJ銀行名誉顧問の行天豊雄氏がロイターのインタビューに応じ、現下の為替相場について「金利が低すぎて円安になっているという事実は否定できない。放っておいてインフレにならないかという心配はあると思う」と述べた。懸念を払拭するための方策を「日銀が考えてもらわなければいけない」とも語った。

行天氏は85年、大蔵省(現・財務省)国際金融局長として、竹下登蔵相の下でプラザ合意の交渉にも携わった。足元の為替相場と物価上昇を念頭に「結構輸入物価が上がっている。いままでのところは何とかコントロールできている」としつつ、日銀の利上げによって日米金利差が縮小すれば「円安は是正される可能性はある」と説明。「今の日本の円相場は歴史的に見れば円安に過ぎる。当然もっと円高になってもおかしくはない状況だろう」と述べ、日銀の早期利上げに期待感をにじませた。

輸出産業を中心にくすぶる円高シフトに対する警戒感については、「だいぶ昔とは変わった」と指摘。円高が悪だとされていた時代と違い、現在は「円高のデメリットっていうのは一体何なんだ。一般消費者のことを考えなければいけない」という認識が産業界にも広がっていると述べた。

*インタビューは11日に行いました。詳細は22日に「マクロスコープ」の特集記事として配信する予定です。プラザ合意交渉の裏話、トランプ米政権の通貨政策、基軸通貨ドルの将来など様々なテーマについて見解を聞きました。

(鬼原民幸 編集:橋本浩)

ロイター
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