中国の対ロ輸出、8月は大幅減 今年2月以来の落ち込み

9月8日、中国税関総署が発表した貿易統計によると、8月の人民元建て対ロシア輸出は2月以来の大幅な減少となった。写真は6月、上海近郊の洋山深水港で撮影(2025年 ロイター/Go Nakamura)
[北京 8日 ロイター] - 中国税関総署が8日発表した貿易統計によると、8月の人民元建て対ロシア輸出は2月以来の大幅な減少となった。輸入も7月の増加から一転して2桁減となった。
対ロシア輸出は前年同月比16.4%減で、5カ月連続のマイナスとなり、7月の8.6%減から減少幅が拡大した。輸入は同17.8%減と、7月の4.4%増から落ち込んだ。税関総署は、8月の対ロシア輸出入品目別の内訳を明らかにしていない。
今年1月から8月までの累計では、対ロシア輸出は8.8%減、輸入は8.2%減だった。貿易総額は1兆0300億元(1450億ドル)だった。
ロシアのプーチン大統領は9月3日に4日間の中国訪問を終えた。ロシア大統領府は、プーチン氏の訪中を「前例のない」ものと表現した。ロシアはウクライナでの戦争で孤立する中、中国との貿易を記録的な水準にまで拡大させてきたが、プーチン氏は今回の訪問で貿易の減速傾向を食い止めたい考えだったと、ロイターはロシア筋の話として報じている。
プーチン氏の訪中時、ロシアのガスプロムは、両国が天然ガスパイプライン「シベリアの力2」を承認したものの、価格設定ではまだ合意に至っていないと表明した。
西側諸国は中国に対し、ロシアとの関係を深めないよう圧力をかけている。船舶追跡データによると、週末には制裁対象となっているロシアの「アークティックLNG2」プロジェクトからの液化天然ガス(LNG)を積んだタンカーが中国の港に寄港した。