ニュース速報
ビジネス

サービス価格上昇、デフレ前の水準近づく 物価高の消費下押しには懸念=経財白書

2025年07月29日(火)09時47分

 7月29日、内閣府は2025年度の経済財政白書(年次経済財政報告)で人件費の価格転嫁によりサービス価格の上昇率がデフレ期前の水準に近づきつつあるとの分析を示した。都内で22日撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Yoshifumi Takemoto

[東京 29日 ロイター] - 内閣府は2025年度の経済財政白書(年次経済財政報告)で人件費の価格転嫁によりサービス価格の上昇率がデフレ期前の水準に近づきつつあるとの分析を示した。同時に、物価高が消費を下押している現状に懸念を示した。

白書では欧米の物価上昇率が前年比ゼロ%近傍で推移する中、日本は食品価格の値上げにより財の物価上昇率が前年比5%台で推移していると指摘。サービス価格の伸びも2000年代はゼロ%近傍が継続したにもかかわらず、近年は2%に近づきつつあると指摘した。

サービス価格の内訳では、家賃と公共サービスを除く一般サービスが23年以降に前年比3%前後の上昇率で推移する状況を図示した。総じて人件費比率の高いサービスにおいて人件費の価格転嫁が着実に進んでいるとみている。

サービス価格上昇率は品目別の分布でみてもプラス圏へのシフトが着実に進み、デフレ入りする前の1980年代の姿に近づいていると説明した。

一方、実質可処分所得から推計される個人消費の理論値と比較して、現実の個人消費は24年以降回復が弱い状況が続いていると分析。家計や企業の予想物価上昇率の高まりや不確実性の高まりが消費マインドを下押しし、3四半期にわたり消費を押し下げたと分析した。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ECB、貸出オペに「気候ファクター」導入へ 担保価

ビジネス

米国向け自動車価格の下落、企業収益下押しの要因とみ

ビジネス

野村HDの4-6月期純利益、前年比52%増 法人部

ビジネス

UBS、為替デリバティブ販売抑制 米関税発表で顧客
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 2
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経験豊富なガイドの対応を捉えた映像が話題
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 5
    グランドキャニオンを焼いた山火事...待望の大雨のあ…
  • 6
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 7
    運転席で「客がハンドル操作」...カリフォルニア州、…
  • 8
    タイ・カンボジア国境紛争の根本原因...そもそもの発…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「出生率が高い国」はどこ?
  • 10
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 1
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの習慣で脳が目覚める「セロ活」生活のすすめ
  • 2
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 3
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心中」してしまうのか
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 6
    中国企業が米水源地そばの土地を取得...飲料水と国家…
  • 7
    レタスの葉に「密集した無数の球体」が...「いつもの…
  • 8
    「様子がおかしい...」ホテルの窓から見える「不安す…
  • 9
    タイ・カンボジア国境で続く衝突、両国の「軍事力の…
  • 10
    アメリカで牛肉価格が12%高騰――供給不足に加え、輸入…
  • 1
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 2
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が話題に
  • 3
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 4
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 5
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 6
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 7
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 8
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
  • 9
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長…
  • 10
    航空機パイロットはなぜ乗員乗客を道連れに「無理心…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中