クシュタール、セブン&アイへの買収提案撤回 真摯な協議なされず

7月17日、カナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールは、セブン&アイ・ホールディングスへの買収提案を撤回したと発表した。写真は同ホールディングスのロゴ。2月11日、ボスニア・ヘルツェゴビナのゼニカ市で撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)
Ritsuko Shimizu
[東京 17日 ロイター] - カナダの小売大手アリマンタシォン・クシュタールは17日、セブン&アイ・ホールディングスへの買収提案を撤回したと発表した。セブン&アイとの建設的な協議の欠如を理由としている。
クシュタールはセブン&アイ取締役会に宛てた書簡を公表した。
クシュタールによると、今年初めに1株2600円で買収する旨の提案を行った。その後、スタンドスティル条項などを含む秘密保持契約を締結したものの、マネジメントミーティングが2回、資産査定(デューデリジェンス)もごく限られたものにとどまったとし「誠実で建設的な協議には応じてもらえなかった」と指摘した。また、セブン&アイは意図的に混乱・遅延をもたらす動きをしており、「ガバナンス体制に強い懸念を抱いている。真摯な協議がなされ得ない状況が続いていることを理由に、提案を撤回する」とした。
クシュタールは、海外事業の100%、日本事業の40%を取得したうえで、日本事業の60%をセブン&アイの既存株主に残す代替案を提示。セブン&アイ側も代替案を提示したものの、折り合うことはできなかったという。
セブンのコメントは現時点で得られていない。