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NY市場サマリー(1日)S&P・ナスダック反落、ドル対主要通貨で下落、利回り上昇

2025年07月02日(水)07時01分

<為替> 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して下落した。主要通貨に対するドル指数は0.08%安の96.682。

ドル/円は0.29%安の143.58円。ドルは対スイスフランでは0.16%下落し、0.79175フランとなった。

FRBのパウエル議長はポルトガルのシントラで開催中の欧州中央銀行(ECB)フォーラムで、関税がインフレに与える影響を見極めるために「待つ」姿勢を改めて表明した。ただ、7月の利下げの可能性は否定しなかった。

ステート・ストリート(ボストン)のシニア・グローバル市場ストラテジスト、マービン・ロー氏は「FRBの政策に関する懸念が繰り返されると、ドルの重しとなる」と指摘。9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げは確実で、見方に若干の変化が見られるとの見方を示した。

一方、ストーンXの市場調査責任者マシュー・ウェラー氏は「ドル指数にとって今年上半期は、1973年以来、最悪の状況となった」とし、貿易政策への懸念や経済減速への懸念が主因と指摘した。「ただし、非常に短期的には、市場が幾分行き過ぎているようにも見えるため、7月にかけてドルが反発する可能性もあると考えている」と述べた。

NY外為市場:[USD/J]

<債券> 米金融・債券市場では、利回りが上昇した。労働市場が依然として堅調であることを示す雇用指標の発表を受け、連邦準備理事会(FRB)が金利引き下げに慎重な姿勢を堅持していることが確認された。

連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長が「(利下げ決定は)データ次第であり、会合ごとに対応していく」と改めて表明したことで利回りは一時低下したものの、指標の発表を受けて再び上昇に転じた。

米労働省が発表した5月の雇用動態調査(JOLTS)によると、求人件数は37万4000件増の776万9000件だった。ロイターがまとめたエコノミスト予想は730万件。

リームズ・アセット・マネジメントのシニア債券アナリスト、アントニーナ・タラシオク氏は、ハードデータは底堅く推移しており、JOLTSのデータも堅調だとした上で「今後の影響を評価しようとする中で堅調なデータが存在する場合、次の判断を下すのは困難だ」と指摘。同時に、FRBの明確な答えは今後数カ月で出てくるとの見通しも示した。

午後の取引では、指標となる10年国債利回りは2.7ベーシスポイント(bp)上昇の4.249%。一時、5月序盤以来の低水準を付けていた。

米金融・債券市場:[US/BJ]

<株式> 米国株式市場では、大型ハイテク株への売りに押されてS&P総合500種とナスダック総合が反落した。一方、ダウ工業株30種.DJIは季節的な流動性低下で値動きが大きくなる中、続伸して取引を終えた。

景気刺激策に期待が高まる一方、少数のハイテク銘柄への投資集中に警戒感が広がった。

ここ数週間に上昇が目立った大型ハイテク株やハイテク関連モメンタム株の一角が売られ、主要ハイテク10銘柄で構成するNYFANG指数は1.8%安となった。

みずほアメリカズの株式取引担当マネジングディレクター、ファルツ・アザーム氏は「ハイテク株とナスダックはここ数週間、買われ過ぎの水準に達していた」とし、「きょうは大きな巻き戻しが見られる」と述べた。

トランプ米大統領は1日、米国との貿易協定交渉期限である7月9日の延長は考えていないと述べた。これを受け、不確実性の長期化に対する投資家の懸念が和らいだ。

米国株式市場:[.NJP]

<金先物> ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金塊先物相場は、米財政赤字拡大や関税交渉停滞への警戒感から安全資産への資金逃避が加速し、続伸した。 

米連邦政府債務の拡大懸念を背景としたドルの軟調地合いが続く中、朝方の相場は一時 3370ドル付近まで上昇。トランプ米大統領が目玉政策に掲げる大型減税を盛り込んだ法案は午後、僅差で上院を通過した。また貿易交渉を巡り、ベセント米財務長官が前日、 「頑固なために合意できなければ関税率は戻る」と相手国をけん制。相互関税の上乗せ分が再び発動されることへの警戒感も金買いを後押しした。

しかし、この日発表された一連の米経済指標は堅調な内容が目立ち、相場はあと上げ幅 を縮小。S&Pグローバルと米サプライ管理協会(ISM)が発表した製造業購買担当者景況指数(PMI)はともに前月から改善し、雇用動態調査(JOLTS)では非農業部 門の求人数が半年ぶりの高水準を記録した。    

NY貴金属:[GOL/XJ]

<米原油先物> ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物相場は、主要産油国による増産継続観測が広がる中、中国の需要回復期待や値頃感を受けた買いが入り、反発した。

中国メディアの財新と米S&Pグローバルが1日発表した6月の中国製造業購買担当者景況指数(PMI)は50.4と、前月から2.1ポイント上昇。指数は景気の拡大・縮小を判断する節目の50を2カ月ぶりに上回った。エネルギー消費大国である中国の指標改善が好感される中、原油相場では早朝、64ドル台で買いが活発化。外国為替市場でドル安・ユーロ高基調となったため、値頃感に加えドル建てで取引される原油の割安感に着 目した買いも促された。

ただ、主要産油国による増産の可能性を背景に供給過剰への懸念がくすぶり、上値は限定的。ロイターが関係者4人の話として伝えたところによると、石油輸出国機構(O PEC)加盟国とロシアなど非加盟の産油国で構成する「OPECプラス」は6日の会合 で、8月の産油量について過去3カ月と同水準の日量41万1000バレルの増産を決定する方針という。    

NYMEXエネルギー:[CR/USJ]

ドル/円 NY終値 143.43/143.

45

始値 142.98

高値 143.80

安値 142.69

ユーロ/ドル NY終値 1.1805/1.18

08

始値 1.1810

高値 1.1819

安値 1.1762

米東部時間

30年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.0 4.7635

0 %

前営業日終値 99*19.0 4.7750

0 %

10年債(指標銘柄) 17時05分 100*02. 4.2416

00 %

前営業日終値 100*06. 4.2260

00 %

5年債(指標銘柄) 17時05分 100*06. 3.8333

00 %

前営業日終値 100*11. 3.7940

75 %

2年債(指標銘柄) 17時05分 99*30.6 3.7725

3 %

前営業日終値 100*01. 3.7210

75 %

終値 前日比 %

ダウ工業株30種 44494.94 +400.17 +0.91

前営業日終値 44094.77

ナスダック総合 20202.89 -166.85 -0.82

前営業日終値 20369.73

S&P総合500種 6198.01 -6.94 -0.11

前営業日終値 6204.95

COMEX金 8月限 3349.8 +42.1

前営業日終値 3307.7

COMEX銀 9月限 3639.7 +22.5

前営業日終値 3617.2

北海ブレント 9月限 67.11 +0.37

前営業日終値 66.74

米WTI先物 8月限 65.45 +0.34

前営業日終値 65.11

CRB商品指数 296.0517 ‐1.2235

前営業日終値 297.2752

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