EU、SAF購入の航空会社に補助金支給へ クリーン燃料促進

欧州連合(EU)は、持続可能な航空燃料(SAF)を2億トン以上購入する航空会社に対し、補助金を支給する提案を示した。写真はSAFで運航する航空機、フランスで2021年10月撮影(2025年 ロイター/Eric Gaillard)
[ブリュッセル 11日 ロイター] - 欧州連合(EU)は、持続可能な航空燃料(SAF)を2億トン以上購入する航空会社に対し、補助金を支給する提案を示した。よりクリーンな代替燃料の使用を促す。欧州委員会のデータに基づいたロイターの試算で明らかになった。
国際航空運送協会(IATA)によると、昨年の世界のSAF生産量は13億リットルだった。
試算では、回収した二酸化炭素(CO2)を利用して生産される合成燃料(e―fuel=イーフューエル)最大2億1600万リットル、またはバイオ燃料最大26億リットルの購入分を補助金で補えることになる。
1リットル当たりの補助金は、合成燃料が最大6ユーロ、バイオ燃料は0.5ユーロとなる。
航空産業は脱炭素化の達成が最も困難な分野の一つで、温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション航空機」が2020年代に実現する見込みはない。
SAFは従来のジェット燃料より3─5倍価格が高く、供給量は世界のジェット燃料供給全体の0.3%にとどまっている。 EUは域内空港で使用される燃料について、SAFの混合比率を年内に2%、2030年までに6%にすることを求めている。