欧州電力価格急騰 仏原子炉欠陥の兆候で

フランスが原子力発電の出力削減に迫られる懸念を受け、欧州の電力価格は11日、急騰した。仏独立行政機関の原子力安全・放射線防護局(ASNR)は、シボー原子力発電所2号機に応力腐食の「兆候」を確認したと発表した。写真はシボー原発の施設、昨年3月撮影(2025年 ロイター/Stephane Mahe)
[パリ 11日 ロイター] - フランスが原子力発電の出力削減に迫られる懸念を受け、欧州の電力価格は11日、急騰した。仏独立行政機関の原子力安全・放射線防護局(ASNR)は、シボー原子力発電所2号機に応力腐食の「兆候」を確認したと発表した。
ASNRは、同原子炉に欠陥の可能性が示されたものの、現時点では腐食は確認されておらず、さらなる検査が必要だと述べた。
これを受け、フランスの期近ベースロード電力価格は一時4カ月ぶりの高値を付けた後、午後には1メガワット時あたり65.80ユーロ(約75.38ドル)に下落した。
同原子炉は約3年前にも応力腐食亀裂の問題に見舞われた。当時は仏国内複数の原子炉で腐食が発生し、原発の出力量は34年ぶりの低水準に落ち込み、電力価格が急騰した。
EDFの広報担当者は、現在シボー2号機で定期点検の一環として検査を実施中で、結果はまだ出ていないと述べた。 ガス価格も上昇し、一時2.3%高の1メガワット時当たり35.58ユーロとなった。トレーダーによれば、仏原発を巡る懸念が上昇の最大要因だという。