FRB、「忍耐強く」指標注視 必要なら行動の準備=ダラス連銀総裁

米ダラス地区連銀のローガン総裁は2日、米連邦準備理事会(FRB)は広範な経済指標を注視し、どのような対応がいつ必要になるか判断しようとしていると述べた。2023年10月撮影(2025年 ロイター/Ann Saphir)
[2日 ロイター] - 米ダラス地区連銀のローガン総裁は2日、米連邦準備理事会(FRB)は広範な経済指標を注視し、どのような対応がいつ必要になるか判断しようとしていると述べた。
ローガン総裁は、労働市場が安定する中でも、インフレ率が目標をなおやや上回っているほか、見通しが不透明になっていると指摘。FRBの現行政策は、経済指標を注視しながら「忍耐強く」待つのに極めて有利な位置にあるとし、「リスクがどちらの方向に大きく変化しても、FRBは行動を起こす態勢を整えている」と述べた。
その上で「われわれの役割は、一時的な物価上昇がインフレという継続的な問題にならないようにすることだ」と語った。
また、総裁はインフレデータを「何よりも」注目していると言及。先月30日発表された4月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.1%上昇と、FRBの目標水準である2%にさらに近づいた。ただ、アナリストの間ではトランプ米大統領の積極的な関税政策の影響がデータにまだ反映されていないとの見方が強い。
ローガン総裁は、先行きの見通しを巡る重大なリスクは、関税措置など潜在的なショックによるインフレ期待の上昇が、こうしたショックが実際に経済に影響を与える期間をはるかに超えて続き、定着してしまうことだと指摘。
関税自体や経済政策を巡る不確実性、これらに起因する金融市場のボラティリティーも経済を鈍化させる可能性があるとしつつ、現時点では、労働市場は均衡を保っており、経済は安定しているとの見方を示した。