0.5%利下げ主張、「危険な」貿易情勢考慮=テイラー英中銀政策委員

5月12日、イングランド銀行(英中央銀行)のテイラー金融政策委員は、先週の金融政策決定会合で0.5%ポイントの利下げを主張したことについて、「かなり危険」な貿易情勢や内需の減速が理由だと明らかにした。写真はロンドンのイングランド銀行。8日撮影(2025年 ロイター/Carlos Jasso)
David Milliken
[ロンドン 12日 ロイター] - イングランド銀行(英中央銀行)のテイラー金融政策委員は12日、先週の金融政策決定会合で0.5%ポイントの利下げを主張したことについて、「かなり危険」な貿易情勢や内需の減速が理由だと明らかにした。
英中銀は8日、政策金利を0.25%ポイント引き下げ4.25%とした。決定は5対4で、テイラー委員とディングラ委員が0.5%の利下げを主張、チーフエコノミストのピル委員とマン委員は据え置きを支持した。
テイラー氏は12日の講演で「信頼感の低下は続いている」とし、購買担当者景気指数(PMI)などの指標は非常に低い数値になっていると指摘。予防的な貯蓄や投資の先送りなど様子見が続いていると述べた。
トランプ米大統領の関税措置は予想以上に広範囲に及んでいるとし、英政府が先週合意した米国との合意は「かなり限定的」との見方を示した。
その上で、全てのインフレ圧力が緩和したという決定的な証拠を待って利下げを行えば、中銀の政策は後手に回ると指摘。「国際的な側面はかなり危険だ」と述べた。