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米カリフォルニア州知事、自治体にホームレス取り締まり強化要請 

2025年05月13日(火)14時07分

5月12日、米西部カリフォルニア州のニューサム知事は、州内の自治体にホームレス取り締まり強化を要請した。写真はロサンゼルスで昨年7月撮影(2025年 ロイター/Etienne Laurent)

[12日 ロイター] - 米西部カリフォルニア州のニューサム知事は12日、州内の自治体にホームレス取り締まり強化を要請した。

同州のホームレス人口が18万人に増大する中で、2028年の大統領選で民主党候補の1人になると目されているニューサム氏はリベラル派ながら、ホームレス問題に対してより厳しい姿勢を打ち出した形。ただ住宅不足解消を訴えてきた同じリベラル派の一部は強く反発している。

米連邦最高裁が約1年前、シェルター(一時避難所)の用意がない場合でも公共の場で寝泊まりするのを禁止する条例は憲法違反ではないとの判断を示して以来、同州の482市のうち42市、58郡のうち2郡が既にこうした条例を導入したことが、ナショナル・ホームレスネス・ロー・センターの調査で判明した。

ニューサム氏は「街路や歩道を元に戻し、野宿場所を接収して代わりを提供する時がきた」と強調した。

同氏が提示しているモデル条例では、路上生活者の尊厳に注意を払うことを求めつつ、公共地にテントや半永久的な宿泊設備を構築するのを禁じ、市当局者は少なくとも48時間前に居住者へ通知すれば撤去できると定めている。一方で当局者には、路上生活者にできる限りの手段を尽くしてシェルターを提供する義務も課された。

こうした対応については、住宅不足と住宅価格高騰という根源的な問題解決を怠っているとの批判が出ている。

ナショナル・アライアンス・トゥ・エンド・ホームレスネスの研究員アレックス・ビソツキー氏は「これ(ホームレス増大)は(住宅部門への)長年にわたる過小投資によって蓄積された問題だ」と指摘し、事態改善には一貫した取り組みが求められると付け加えた。

ロイター
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