大手航空各社、印・パキスタン戦闘でルート変更や欠航多数

5月7日、アジアの複数の航空会社はインドとパキスタンの戦闘のため、欧州発着便のルートを変更するかキャンセルすると発表した。係争地カシミール地方の上空を撮影(2025年 ロイター)
[台北/ニューデリー 7日 ロイター] - アジアや欧米各国の大手航空会社は7日、インドとパキスタンの戦闘を受けてルート変更や欠航を発表した。インド国内では約12カ所の空港が閉鎖される事態となっている。
インドは7日、パキスタンと係争地カシミール地方のパキスタン支配地域にある計9カ所の「テロリストのインフラ」を攻撃したと発表した。
ここ数日にわたりインドとパキスタンは双方の領空を閉鎖。ドイツのルフトハンザ航空など各国航空会社もパキスタンの空域を回避している。
KLMオランダ航空の広報担当者は、追って通知があるまでパキスタン上空を飛行しないと発表。シンガポール航空も6日以降、パキスタン領空上空の飛行を停止していると説明した。
ユナイテッド航空は、空域制限などを理由にデリー行きの便の欠航を発表した。
台湾のエバー航空は、安全上の理由から、戦闘の影響を受ける空域を避けるため欧州発着便を調整すると発表。大韓航空はソウル(仁川)─ドバイ便のルートを変更、従来のパキスタン領空を通過するルートではなく、ミャンマー、バングラデシュ、インド上空を通過するルートを選択した。
ロシアがウクライナに侵攻する前は、台湾発欧州行きの便の多くがロシアを経由していたが、台湾が西側の対ロシア制裁に参加した後は、台湾の航空会社がロシアを経由することは禁止されており、通常はインド、パキスタン、中央アジア上空を飛んでいる。
パキスタン当局は、インドの攻撃時、同国の領空内に57便の国際便が飛行していたと説明。シャリフ首相府は、インドの行動が湾岸諸国の航空会社に「重大な危険をもたらし、人命を危険にさらしている」と非難した。
インドの民間航空省はこの発言についてのコメント要請に応じていない。